読書

おまえさん、その他

●あけましておめでとうございます。 ●正月は実家に帰ってるんですが、ネットもテレビもない部屋でぼーっとしてることになるので本を買って行くのが習慣になってます。で、せっかくの年末年始だから普段さけてるような本を読もうと思ってしまい、苦手な方向に…

悟浄出立、悟浄出世

●文庫になったら読もうと思っていた万城目学の『悟浄出立』がついに文庫になったので読んだ。前書きでも書かれていたようにこれは中島敦の『悟浄出世』『悟浄歎異』を受けて書かれた話なので、まずそっちから。●中島敦の『悟浄出世』は西遊記の沙悟浄を自意…

開高健

●翻訳家の岸本佐知子のエッセイ集「気になる部分」には会社員時代のことを書いたものがある。会社という人間の集団にはローカルで奇妙な文化があるという話。この本では会社名は伏せられているのだが、あちこち出てくる単語を拾うとどうもサントリーらしいな…

気になる部分、その他

●月に一度はそれほど遠くもない実家に帰って親に顔を見せることにしている。実家には自分の荷物はほとんど無いのでリハビリというか毒抜きにはちょうどいいのだが、結局ヒマなので本を読んでばかりになります。●岸本佐知子のエッセイ「気になる部分」。恐い…

ぼおるぺん古事記(三)海の巻

●こうの史代の「ぼおるぺん古事記(一)」の話をいつ書いたんだっけと探したら1年以上前でめまいがしました。五月女ケイ子の「レッツ!!古事記」なんて5年前でしたよ。●(三)が出たのはけっこう前なんですが今さら買ったのは、そういえばサルタヒコとア…

隠れていた宇宙

●数学というものとの出会いは覚えてないが、たぶん数を数えよう、ということだったと思う。誰に教えられたかもわからない。義務教育に入ると足し算、引き算、掛け算、割り算を覚えて、数も分数だの小数だのと増えていった。数学は使うものと思っていたのだが…

逝きし世の面影

●渡辺京二の「逝きし世の面影」を読んだ。江戸末期の開国期の日本を訪れた外国人の残した記録から、当時の日本と日本人の姿をさぐった本。自虐史観を否定、というとすごく生臭いのだが、近代以前を野蛮だったとする現代人的な偏見を捨ててここはひとつ素直に…

霊魂の城

●カトリックの神秘家聖テレサ(テレジア)の本。ラファティの「第四の館」の訳者後書きで触れられていたので読んでみた。神秘主義者らしいという前知識で読み始めたら、他の修道女のための手引き書として書かれていて、アレ?と思ったのだが、読み進めたらや…

広島日帰り

●GWに学生時代の友人と集まろうか、という話になって場所は広島になりました。一泊するのは資金的にきついので日帰り。昼過ぎ集合でしたが、電車が混むといやなので早朝に出発して、車内ではどうせ暇だからとラファティの「第四の館」を持っていきました。夢…

昔には帰れない

●R・A・ラファティの新作短編集『昔には帰れない』であります。発売予定日が1月伸びるという、早川のほら吹きおじさん化もあったのですが、先日無事に発売されました。ツイッターを見てると喜びの声が多数つぶやかれており、ラファティファンは実は多いのか…

クトゥルフ神話の幻夢境 未知なるカダスを夢に求めて

●PHPのクトゥルフ小説の漫画化シリーズ、ラヴクラフトの「未知なるカダスを夢に求めて」の漫画版です。●とりあえず、言わせて。なんで描いた人の名前がわかりにくくなってるの? カバーに原作のラヴクラフトと監修人の名前は書いてあるのに漫画を描いた人の…

トマス・モアの大冒険

●そして図書館で取り寄せてもらったR・A・ラファティの「トマス・モアの大冒険」を読んでみたのですが、やっぱ無理。付け焼刃な知識でなんとかなるわけもなく。なんなんだこの人。

野生の思考

●グローランサ経由で神話ってなんなの、という興味を持ち、中沢新一経由でレヴィ・ストロースに至りました。野蛮人のモノの考え方みたいなのも教えてくれそう、と思っていたのですが、むずかしすぎた「野生の思考」。基礎知識もなしにわかるものじゃないです…

カルヴィーノ イタリア民話集

●お盆休みは興味のあるジャンルの本をまとめて読んでみようかと思い、買ってみたり図書館で手配してみたり。図書館便利になってます、予算減らさないでください橋下さん。●あのカルヴィーノが編纂したという岩波のイタリア民話集上・下を読んでみました。ち…

文藝別冊 総特集 いしいひさいち

●正確には「文藝別冊[総特集]いしいひさいち 40th anniversary 仁義なきお笑い デビュー40周年・『バイトくん』から『ののちゃん』まで」。●いしいひさいちにはストイックでかっこいい漫画家というイメージを持っていたのですが、このムックでも本人は顔を…

ぼおるぺん古事記(一)天の巻

●以前、五月女ケイ子の古事記を読みましたが、 五月女ケイ子のレッツ!!古事記 - そっちはそっちの気晴らし、こっちはこっちの気晴らし 今回はこうの史代の古事記であります。五月女のをダイジェスト版だとすれば、こっちは原文を丁寧に一行ずつ追った漫画…

西遊記その他

●実家に帰ると時間をもてあましたりするので本を読んでました。平岩弓枝「聖徳太子の密使」の感想をネットでしらべたときに評判がよかったので平岩「西遊記」の文庫版全4巻。それと森薫の「乙嫁物語」の待望の新巻4巻。●たしかに面白かったです、西遊記。…

聖徳太子の密使

●タイトルだけ聞くと古代政治陰謀モノっぽいが、ファンタジーなのだった。聖徳太子の異国の知恵の宝を求めよという命を受け、その娘珠光王女が男装して旅立つ。共をするのは悍馬の青龍と三匹の猫、北斗、オリオン、スバル。三匹は人間に姿を変え、太子から与…

大砲とスタンプ

●速水螺旋人の仮想国を舞台にした軍隊モノの漫画。ただし主人公は補給廠管理部所属で任務はデスクワークという変化球。もっと陰惨な感じになるかと思ってましたが、そこそこセーブされてました。あとがきにルーツは高橋孟の「海軍めしたき物語」だと書かれて…

萌え絵でめぐる!クトゥルー世界の歩き方

●最近のクトゥルフ事情はどうなっておるのかね、とおっさんの俺が歩き方を習ってみたのですが、原書から栗本薫、ニャル子さんまでの手広い本でした。クトゥルフ神話に関連した土地の紹介、魔道書の紹介、いくつかのコラム、関連書籍の紹介、TRPGの紹介とリプ…

あとのない仮名

●山本周五郎の小説は我慢に我慢して花を咲かせるとか、無名の人間の誰にも気づかれない心意気を取り上げるものだと思っていたので、読んで驚いたのがあとのない仮名。それも晩年の作品と知ってびっくり。●おもしろかったのは男から見た女についてで、源次はI…

怪奇版画男

●発売日がまちどおしく、今日開店直後に飛び込んで買ってしまいました「よつばと!11巻」。期待どおりおもしろかった。それはいいんですが、一緒に買った唐沢なをきの「怪奇版画男」も面白かった。噂はかねてから聞いてました。●全部版画で彫って刷った漫画…

文藝別冊 総特集 諸星大二郎その他

●近所の小さい書店には置いてなかったので遠征して買いました。寄稿者が豪華かつ諸星好きすぎる。 ところで一緒に買った見仏記5ですが、見えるところにカバーイラストがなかったので見逃すところでした。さらにオビが2人の顔を隠してるので目立たないにも…

A型の女

●もう20年近く前の本ですが。私立探偵アルバート・サムスンを主人公としたハードボイルド小説シリーズの一作目です。最近、ライフハック系のブログ周辺を眺めていてサムスンの友人で黒人部長刑事のミラーの台詞を思い出しました。 「今のやり方より、もっとう…

駄美術ギャラリー

●現代美術二等兵がガチャガチャを手がけると聞いて、読んでみた本。どこかで見た作品もあって、考えてみたらTV番組のたけしの誰でもピカソだった。もうだいぶ昔ですね。この本も2007年出版なので古いです。●村上隆とか最近はカオスラウンジとかの話を聞いて…

杜王町

●ジョジョ第八部新連載ってことでウルトラジャンプを買ってみました。UJなんて今まで読んだことがなかったのでコンビニで買えるのかもわからず、残業後まだ開いていた本屋で購入。以下、ネタバレ混じりなので自分の感想を持ちたい方は読まない方がよい。

十五万両の代償 十一代将軍家斉の生涯

●佐藤雅美の著作「十五万両の〜」の中で、将軍家斉が大量にいた自分の娘息子をあちこちの大名家にねじ込んだことについて触れられてました。それに関連して、蜂須賀家も将軍の子を養子としてもらってるので開祖といわれる蜂須賀正勝と後に侯爵になった蜂須賀…

ふしぎ盆栽ホンノンボ

●たいへんおもしろうございました。ベトナムの盆栽というか盆景というか、そのようなものを追ったルポ? いや、エッセイらしいです。著者の宮田珠己の消力あふれる文章芸もさりながら、やはりテーマであるホンノンボがとてもいい。日本の盆栽というと陰陽と…

へうげもの

●モーニング連載の「へうげもの」。今週分がとても良いと聞いて買ってきて読みました。たしかに良い。今まで育ててきたキャラが隙無く効いてます。というか、爆笑した。利休が出なくなってからどうなるのかと思ってましたが、この確信の無さ、不安定さが織部…

もたない男

●それだけではなんなので読んだ本の感想。漫画家中崎タツヤの字の本「もたない男」。考えてみたけどあの「じみへん」の作者、というしかなかった。●なんでも捨ててしまう性分なのだ、という主旨のエッセイ? ですが、自伝っぽくもあります。漫画家の自伝ブー…