文藝別冊 総特集 いしいひさいち

●正確には「文藝別冊[総特集]いしいひさいち 40th anniversary 仁義なきお笑い デビュー40周年・『バイトくん』から『ののちゃん』まで」。

いしいひさいちにはストイックでかっこいい漫画家というイメージを持っていたのですが、このムックでも本人は顔を出していないのでした。作者インタビューも作者自身によるでっちあげという念の入りよう。

●政治ネタ、哲学ネタ、ミステリーネタ他さまざまにこなすのでその読書量などは見当もつきません。その年の時事ネタを扱った大問題シリーズ(峯正澄との共著)を読み返すと、当時あれほど頭に来たり不安に感じたりしたことも数年たった今は忘れてるのですね。何も変わらないんだな、と空しくなるのですが、それを飽かずに淡々と描くそのタフさに憧れます。

●この手のムックはゲストの寄稿者も売りですが、いしい本には漫画家ではいがらしみきおしりあがり寿とり・みき吉田戦車秋月りす西原理恵子あずまきよひこ、など。作家では宮部みゆき、とか。豪華です。特にとり・みきのいしい描く女性キャラのエロ美しさについての指摘がよかったね。

●私事ながら、住んでるエリアに近い下新庄が冒頭で紹介されてて愉快でした。
 

いしいひさいち  仁義なきお笑い (文藝別冊/KAWADE夢ムック)

いしいひさいち 仁義なきお笑い (文藝別冊/KAWADE夢ムック)