ふしぎ盆栽ホンノンボ

●たいへんおもしろうございました。ベトナムの盆栽というか盆景というか、そのようなものを追ったルポ? いや、エッセイらしいです。著者の宮田珠己の消力あふれる文章芸もさりながら、やはりテーマであるホンノンボがとてもいい。日本の盆栽というと陰陽とか詫び寂びに身構えてしまうのに、ホンノンボには隙があって素晴らしいな。

◎本体が岩(石)であること
◎ミニチュアがのっていること
◎水を張った鉢のなかにあること


 ホンノンボの大きな特徴は、この三点に集約されそうである。

●おもちゃ好きな俺としてはミニチュアの力が確認できて嬉しかった。和むんです。そして釣竿をもった(ゆるい)爺の人形が置かれてるだけで生まれる物語性。詫び寂び的な緊張感は破壊されるのですが。

●2007年に出版されたものの文庫化で、文庫なのに790円? と思ったものの、写真とカラーページが多いからまあ仕方ないと許せてしまいました。写真が無いと意味もないし。
 

ふしぎ盆栽ホンノンボ (講談社文庫)

ふしぎ盆栽ホンノンボ (講談社文庫)