開高健
●翻訳家の岸本佐知子のエッセイ集「気になる部分」には会社員時代のことを書いたものがある。会社という人間の集団にはローカルで奇妙な文化があるという話。この本では会社名は伏せられているのだが、あちこち出てくる単語を拾うとどうもサントリーらしいなとわかった。wikipediaの方には明記されていた。
●それでそのときの職場の文化が紹介されていて、朝端末を起動するとプリンタが「やってみなはれ」とテスト印字したのだそうだ。これはサントリーの会長だった佐治敬三の言葉…だと思ったのだけど、創業者の鳥井信治郎の言葉だそうだ。他に職場の冗談としての言葉の言い換えがあって『料理天国』という番組を「リョウテン」と略したと紹介されていた。料理天国懐かしいな、子供のころ見たな、と思ったら1992年までやってたのだそうだ。岸本佐知子が入社したのが1981年らしいから、サントリーの広告部で名前が出るのも当たり前なのだった。
●それで本題なのだけど、「やばい」を「バイヤー・コンディオス」と略す(長くなってるけど)というのもあって、これは開高健ですよね。好きな別れの言葉として開高が紹介してるのを「風に訊け」で読みました。開高健がサントリーに入ったのははるか昔の1954年で、在籍したのも短い期間らしいのですが、何かしら文化として残ったということなんでしょうか。それとも別のルートで入ってきたのか。