ヒョルト人のカルト:ブラスタロス

Epikt2009-02-04


●マイナーな神の供犠がおもしろいんですが、神について知らないとおもしろみが伝わらないと思いました。穏やかな大気の女神ブラスタロス(Brastalos, Goddess of the Calm Air)は、実はヒョルト人の中にもほとんど信者がいないそうです。なのでヒョルト人のカルトと言えるのかわからないのですが、といって他の人種が信仰してるとも思えません。入信者はおらず、ごく稀に帰依者がいます。

●ブラスタロスは嵐の神殿から海の神殿に嫁いでマガスタの妻になった、もしくは妾となったとされています。オーランスの縁者ですが、その関係ははっきりしません。穏やかな大気の神である彼女は、オーランスの騒々しい家中における平和の砦と言われます。夏に訪れる穏やかな気候、嵐の中の凪、空をおおう雲が分かれて覗く空がブラスタロスの顕現です。

●ブラスタロスは単純に穏やかな大気というだけでなく、オーランスのもう1つの面、台風の目だそうです。オーランスが荒れ狂うほどブラスタロスは静かになりますが、オーランスが静かなときはブラスタロスの力が強くなります。これを利用したのが1622年の凍土の戦いです。ルナー帝国によって封じられたオーランスの力はブラスタロスの力として発現し、反乱軍はルナー軍を破ることができました。
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●ブラスタロスの提供する神力は《大気を静める(Still Air)》のみです。奥義《嵐の目》は、この域にまで達した帰依者の近くで使用されるあらゆる天候、嵐の力の対して、自動的に悟法の《否》として働きます(要するに無効化する)。そのためオーランス信者の中にはブラスタロスを嫌うものもいますが、これはブラスタロスがオーランスの嵐の中心、穏やかな目(Calm Eye、冷静な目ともとれる)であることを彼らが理解していないから、だそうです。

●ブラスタロスは嵐の領域と海の領域の境界の「戦いの岸?(Belligerent Shore)」に小屋を持ちますが、彼女の本当の家はオーランスの中心にあります。

●それでブラスタロスへの供犠ですが、供犠は彼女の聖祝日である「凪の日(Still Day)」におこなわれます。氏族は男女にわかれ、男たちはオーランスの嵐の力が必要なときにブラスタロスが訪れないように雄豚と雄鳥を捧げます。女たちは暴力に代わって平和が必要なときに彼女が訪れるようガチョウと雌豚を捧げます。