ヒョルト人の戦争の倫理

●ヒョルト人の戦術について見ようと未訳サプリの「Sartar Rising part2 Orlanth is Dead!」をあたっていたらヒョルト人の戦争についての考え方が紹介されてました。アンドリンの言葉から、という体裁で「戦争の倫理(The Ethics of War)」というコラムです。この場合、ヒョルト人というよりオーランス人でしょうか。

●ヒョルト人の戦いのルールは3つあります。最初は農夫の神バーンターのルールです。これは日常の喧嘩で、もちろん殺し合いにはなりません。派手に喧嘩しても次の日には酒を酌み交わします。

●次は嵐の部族の長オーランスのルールです。これは他のオーランス人との戦いです。氏族間の襲撃や抗争などで、敵も名誉ある戦いのルールを理解しており、お互いを破壊するほどの戦いにはなりません。

●3番目が死の神フマクトのルールです。これは戦争です。フマクトのルールには敵が同じオーランス人である場合と、そうでない場合の2つがあります。

●敵が同じ文化に属するオーランス人の場合、例えばお互いに代表の勇士(Champion)を出して決闘させ、その結果で勝敗を決めるやり方があります。これなら民兵(Fyrd)の人間が殺傷される可能性は減ります。女子供が巻き込まれることはなく、捕虜の買戻しや死者の倍賞のルールも決まっています。またお互いに魔術を使った攻撃はしません。

●よそ者、他の文化に属する集団との戦争では、すべての制限が取り払われます。敵はヒョルト人の名誉やルールを理解しません。ヒョルト人は偽りの誓いを立て、毒を使い、魔術で病気を送り、約束を裏切り、全力で敵を攻撃します。そして敵も同じことをすると考えます。これは曙以来の世界の習わしです。ヒョルト人は敵を見つけ、殺し、彼らのゴーストを追い払う方法を知っています。

●ただしヒョルト人はそのような状態を日常とは区別します。戦争とは世界をより良くするための神への奉仕であり、神が自分たちの体を乗り物として使って戦争をするのだと考えます。そのためにただの男たちの集団を戦の群に変え、敵に対抗するための祝福を受ける戦争の魔術があります。

●またヒョルト人はフマクトから離れて、そのような戦争の汚れと力を浄化し、妻や子供の暮らす家に戻る方法も知っています。彼らは再び社会に適応し、人生に復帰して生活を楽しみます。

●戦争を終わらせる魔術もあります。敵を縛る誓約を立て、平和の誓いをつくり、それを実施させる方法があります。

●野蛮だの凶暴だの言われるヒョルト人ですが、意外に上手く自分たちの心理を操作してると思いました。って、グローランサ世界なので本当に神が降りて来ちゃってるんでしたね。

●伝統的にヒョルト人が隣人と見なす異文化があります。一部の騎馬民族、騎獣の民、トロウルです。彼らは異文化に属していますが、ヒョルト人のルールをそれなりに理解しており、何世紀もの古い絆が結ばれています。隣人とは戦争の魔術を分かち合うことができ、戦争で互いに協力するとき、それを戦争と平和の魔術と呼びます。

●ヒョルト人は邪悪な帝国とは平和を維持することができません。ルナー帝国はオーランスを否定し、ヒョルト人の生き方を変えようとしています。女神セデーニヤは混沌と交わっており、ヒョルト人はそれを認めることができません。