マレウス・モンストロルム
●「クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム」が発売されました。TRPG「クトゥルフの呼び声」(d100の方)のサプリメントで、クトゥルフ神話の神格、クリチャーのデータ集です。
クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム (ログインテーブルトークRPGシリーズ)
- 作者: スコット・アニオロフスキー,ほか,立花圭一,坂本雅之
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2008/02/25
- メディア: 単行本
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4,500円と高めですが、303ページの大著です。本国での発行が2004年(2006年だそうです)ということで、基本ルールブックに収録されていたモンスターに加えて、新しく出たクトゥルフ小説やTRPGのサプリ(未訳のものも含めた)で登場したモンスター、未収録だった神などが収められています。俺はこういう事典的な本が好きなので買いました。
●収録されているモンスターの数は、数えまちがいがなければ以下のとおり。
クリーチャー | |
独立種族 | 60 |
奉仕種族 | 70 |
唯一の存在 | 4 |
神格 | |
グレート・オールド・ワン | 71 |
外なる神 | 35 |
化身 | 64 |
旧き神 | 9 |
大いなるもの | 9 |
唯一の存在 | 9 |
伝説と伝承のクリーチャー | 13 |
動物 | 36 |
合計 | 380 |
化身というのは神がとる別の姿のことで、64のうちニャルラトテップの化身が43を占めてました。帯には“380種にも及ぶ、クトゥルフ神話体系の怪物(モンストロルム)たち”と書いてありますが、地球の動物は怪物じゃねえ(笑) 数に入れるな。データとしてはありがたいです。
●で、ワクワクしながら見てましたが、意外に飽きました(笑) 説明の最初の方に触手の塊、とか原形質の塊、とか書いてあると飛ばしたり。これだけ数がいるとそういうのはもういい、という気分になりました。外なる神も個性を主張しないと生き残れない。
●もう1点不満だったのは挿絵です。イラストじゃないんですね。例えば“「中世ローマの賛美歌歌集の装飾」(11〜12世紀)ローマ、聖ゲラシウス1世教区”というような資料の写真が載ってて、それが怪物を暗示してる、という具合です。現実味とクトゥルフ神話が世界の広範囲に影響を及ぼしてる、という雰囲気づくりのためだと思われます。俺としては1人のイラストレーターさんに挿絵をつけてもらった方が、統一感が出て嬉しかったです。
●新しく知った設定も多かったです。“旧き神(旧神)”と“大いなるもの”が充実してました。旧き神は独立した勢力とされ、今までの深淵の大帝ノーデンスや猫の神バーストに加えて9柱になりました。その目的は不明なままですが。善良なクトゥルフと言えるサニドや、善良なヨグ=ソトースと言えるヤード=サダジなどはっちゃけた存在も。誰がこんなことを、と思ったらタイタス・クロウシリーズを書いた作家、ブライアン・ラムレイでした。じゃあしかたないね。
●大いなるものは今までドリームランドのカダスでニャルラトテップに守られているとされていた、地球の小神たちです。これも具体的にデータを与えられた9柱がいます。こっちはどうもサンディ・ピーターセンのせいらしいです。じゃあしかたないね。
●他にもティンダロスの猟犬が出世してるとか、クトゥルフの女房子供が出てるとか、物体Xとトリフィドがいるとかあって楽しめました。実際ゲームで使う機会があるかというとナニですけど。