ルーンの話その2

Epikt2008-03-27

●今回はかなり独断的な内容になります。まちがってるかもしれません。ルーンってのは漢字と同じ表意文字(文字じゃなくて記号)なんですね。絵文字みたいなものから抽象的なものまである。メタな話ですが、デザイナーになったつもりでルーンを考えると、少ない線で、しかもルーン1つで神様の本質を表現しなければならず、けっこう大変だとわかります。

●たとえばオーランスの渦巻きのルーンです。オーランスの眷族である嵐の神々のルーンにはこれが入ってるのが望ましいんですが、大地の神アーナールダの正方形とちがって、うずまきはバリエーションが作りにくい。うずまきが入ってるルーンはこれだけです。

上段左から征服の風デイラヌス、盗賊デセンボース、オロルマーン(牧夫オーランス)、雷鳴轟かすオーランス。下段左からヴィングコット、オーランサナンドリン(法の作り手オーランス)。

やはり使いにくそうですね。オーランサナンドリンなんてオーランスのルーンと法のルーンを重ねただけ、という力技です。

●工夫しましょう。うずまきを簡略化すればいい。漢字の部首(偏(へん)とか旁(つくり)とか)と同じです。それがこれだと思います。

オーランス偏(笑) 風や移動の動線を表します。この偏が入っていればオーランスと関係有りです。入ってるのは以下のルーン。

上段左から急襲者フィノヴァン、雷の投擲者ヘドコーランス、冒険者オーランス、狩人オーマラヤ、飛ぶ者ヴァンガンス。下段左からオーランスドヴァー(誠実なるオーランス)、神々の王オーランス。外にあるのは直接にはオーランスに従属していないもので、左が冬の神ヴァリンド、右が風の父コーラート(ただしヴァリンドは雷鳴の兄弟の1柱とすることもあるそうです)。

わかりやすいのは飛ぶ者ヴァンガンスで、たしかに地面から飛んでます。ヴァリンドは風からつららが下がってる。移動するものマスターコスは…どうなんだろう。考えようによっては3つもついてますが。

●偏の話をしましたが、こいつが気になりました。

これだけだと家長デューレヴのルーンなんですが、こいつが入ってるルーンが3つあります。

上段が剣の近侍スタークヴァル、下段左がオーランスカール(農夫オーランス)、右がオーランスドヴァー。

形から言えば牛なので、ヒョルト人の財産を表すのかと思いましたが、オーランスドヴァー(善き父、善き夫としてのオーランス)がこいつとオーランス偏の組み合わせになっているので、その意味はもっと広く、家やステッド(集落)まで含むのかもしれません。スタークヴァルはステッドの防衛戦が担当ですから、スタークヴァルのルーンはこいつと戦のルーンの組み合わせになってる、ということでしょうか。

●それでこのやり方を押し進めますと、新しい神のルーンが推測できますね。例えば癒し手オーランスというのはまだいませんが(ですよね?)、彼は癒しのルーンとオーランス偏を組み合わせた次のようなルーンを持つはずです。

なんて神知者的な発想(笑) ただ癒しの力の本質が復元や回復なのに対して、オーランスの風の力の本質は変化や移動にあるようですから、この両者が上手く組みあわさるかどうかは怪しい。そしてなによりこのルーンでは、何をする神なのかわかりにくいです。表意できてない。