毛サイ

●冬の神ヴァリンドのつくった動物マンモスの話の前に、ヴァリンドの父親ヴェイドラスがつくった動物、毛サイ(Woolly Rhinocerosグローランサではクンコーン(Kunkorn))の話。

毛サイのwikipedia:Wooly rhinoceros

●ヴェイドラスが毛サイをつくったくだりはフロネラ地方のオーランス人の神話で語られています。「Anaxial's Roster」P.72の“ヴェイドラスと論理の民(Vadrus and the Logic Tribe)”の神話です。

●嵐の部族の時代、オーランスは西方から来た論理の民と争いました。論理の民には嵐の部族の魔術が効かず(神知者?)、オーランスたちは戦略上、一時的に動物に姿を変えて身を隠すことにしました。ところが強情なヴェイドラスはオーランスの決定に従いませんでした。

●ヴェイドラスが魔術の効かない論理の民対策につくったのが毛サイです。凍った草、硬い氷、氷河の大地、鋭い石を積み上げたものを奇怪な毛深い像に形作り、それに命を吹き込みました。さりげなくすごいことしてるな。毛サイがなぜ論理の民対策なのかというと、魔術に関係なく強いから。寒さに強い動物なんだから、寒さと組み合わせた策略とかないんでしょうか。ヴェイドラスの息子たちもそれぞれ毛サイのような動物をつくり、結局、ヴェイドラスの一族は論理の民を負かしてしまいました。

●この神話は長くて、神様も動物もたくさん出てくるのでオーランス人の子供には好かれそうです。陰惨な場面もありませんし。登場キャラが多すぎるので人形劇には向かないかもしれませんが。それと他の神話との矛盾もありますね。そんなに毛サイが強いならオーランスの一族にも勝てるんじゃないのか、というのも気になる。

●ヴェイドラスの台詞も入ってるんですが、口語の言い回しが多いです。翻訳サイトにかけても意味の通らない文章になります。かなり口汚いオヤジキャラのようですね。