氷を砕くものカリコス

●冬の神ヴァリンドの敵といえばペローリア一帯で信仰されているという、氷を砕くものカリコス(Kalikos Icebreaker)らしいのですが、 mallion さんのところをはじめ、あちこち見たところかなり難しい(笑) なので浅く。

●現在(1621年)のグローランサでのカリコスはもっぱらルナー帝国に利用されています。ルナー帝国はカリコスがヴァリンドを打ち負かすというヒーロークエストを国をあげて行なっており、その結果、ペランダ地方(ペローリア全体?)の冬は弱められ帝国は居住に適した広大な土地を手に入れています。

●公式サイトによれば、カリコスはカルクザントの息子で善き冬の神だそうです。カルクザントはグレイズランド人(ペント人も?)の崇拝する太陽の大精霊です。神々の戦において、カリコスはヴァリンドに挑んだのですが、実は負けたんだそうです。話がちがうんじゃないですか。ヴァリンドはカリコスを辱めるために彼を鎖でつなぎ、天空につるし上げました。

●なのでカリコスは星でもあります。 Jumper と呼ばれる星の1つで、 zeb さんが跳ね星とうまく訳しておられましたが、カリコスは夜になると北北西の方角から登り、朝になる前に沈みます。ヴァリンドにつるし上げられてるわけです。ヴァリンドの宮殿も天空の星座の1つだそうで、おそらくヒーロークエストも天空で行なわれるんでしょう。

●ルナー帝国が始めたのか、それ以前からある伝統なのか、この神話にヒーロークエストで介入してるんですね。カリコスに応援の軍勢を送り込んで一緒にヴァリンドの宮殿に攻め込み、ヴァリンドが負けるように書き換えています。その結果、冬が弱まると。ヒーロークエストとその効果のわかりやすい例です。

●「グローランサ年代記」に書かれている未来の話になりますが、アーグラスがこのクエストを逆手に取りました。彼と仲間たちはヴァリンドの助勢としてこのクエストに加わり、攻めてきたカリコス側のルナーの軍勢を破り、地界にあるカリコスの館を陥落させました。その結果、ペローリア全体に厳しい冬がおとずれました。さらにアーグラスの要請を受けたウズ(トロウル)がこれに便乗して略奪を働いたために、ルナー帝国の受けた打撃は深刻なものになりました。どうもペント人は勝っても負けても陰惨な印象ですね。


[追記]
グローランサ年代記」では“砕氷者”カリコスになってました。これが公式ですね。