ヒョルト人のカルト:ヴィンガ

Epikt2009-02-19

●守護と戦の女神ヴィンガ(Vinga, Goddess of Protection and War)のカルトです。家政夫ナンダンとの比較は以前も書きました。
[Glorantha]ナンダンとヴィンガ - そっちはそっちの気晴らし、こっちはこっちの気晴らし
ナンダンを信仰すれば男でもアーナールダの下位カルト加われるようになります。同じく、ヴィンガを信仰すれば女でもオーランスの下位カルトに加われるようになります。その点では対称ですが、他の点がちがいます。

●ヴィンガの信者は男装した上にスカートをはき、髪を赤く染めます。特に女であることを強調してるんですね。ナンダンが女の衣装を着るのとはちがいます。女の体で生まれてきた男がヴィンガ信者になる、と表現されることもないようです。中にはそういう人もいると思いますが、特に強調されることがありません。信者は大半は戦いを選んだ女で、その中に埋没してるんじゃないでしょうか。ヴィンガの信者は男と自由に恋愛します。

オーランスとアーナールダの娘ヴィンガは陽気で快活な娘でした。彼女を変えたのは太陽の戦神エルマルでした。ある日彼女がステッド(集落)の柵(矢来)のそばにいると、見張りのエルマルが離れるように言いました。「ここに女の居場所は無い」エルマルはそう嘲りました(エルマルは火の部族の出身で、火の部族はイェルムを長とする男尊社会です)。

●ヴィンガは激怒しました。その怒りのあまり、彼女の髪は赤く燃え上がりました。ヴィンガの憤怒はエルマルの正義の松明さえかげらせ、2人の怒りに家畜は怯え、ステッドのみなを起こしました。結局、雨の神ヘラーの降らせた雨が2人をずぶぬれにして引き離しました。ヴィンガは以前ほど笑わなくなり、その意志は頑固なまでに強くなりました。

●というわけで、ここではエルマルが悪者です。嵐の神殿では両者はライバルで、ときどきいさかいを起こします。エルマルが「私は女性を守りたいのだ」と言うと、ヴィンガは「私たち女は自分の身を守ることができる」と言い返します。

●皮肉なのかどうか、大暗黒の中でオーランス不在のステッドを守ったのはエルマルとヴィンガです。エルマルも一度、ヴィンガに助けられています。エルマルが残りわずかな輝きを維持するために山頂に登ってからは、ヴィンガだけがステッドの守り手だったでしょう。