西巷説百物語

●たまたま本屋で手に取ったのが同じ日というだけで、怪談つながりの本を併読することになりました。俺、タイトルからして又市が江戸に出るまでのもっと若い頃の話だと思ってたんですよね。そうではなくて主人公を靄船の林蔵にした、大阪が舞台の物語でした。江戸の又市の話とは時間的に並行してるそうです。

●又市が主役の話では林蔵はいまひとつ頼りない感じでしたが、なんのなんので仕掛けをきっちり小気味よくこなしてくれます。考えさせられることの多かった又市編よりもエンターテイメントしてるかもしれません。百物語のシリーズはまだ続くんでしょうか。その方が嬉しいけど。あと京極堂のシリーズもなんとかひとつお願いします。

●同時に読んだのでどうしても「ひとつ灯せ」とくらべてしまいます。考えてみれば不思議なことの起こっていない西〜がおどろおどろとしてるのに、不思議なことだらけなひとつ〜は淡々としてるんですね。すくなくとも西〜は説明がつけられるので、その点で安心できます。どっちが怖いかというと、やはりひとつ〜の方か。
 

西巷説百物語 (怪BOOKS)

西巷説百物語 (怪BOOKS)