ゲームにおける型

●普段参加しているTRPGサークルの定例会で、自分の好きなヒーローウォーズや旧ヴァンパイア(V:tM)の卓を立ててみたいと思うことはあるのですが、PLに説明しなければならない情報の量を考えるとあきらめてしまいます(オーランス人やトレメール氏族は日常どのような常識やルールや慣習に従って暮らしているでしょうか)。その世界のことを知っていないと本当には楽しめない、タイプのゲームがあるように思うからです。

クトゥルフの呼び声ウォーハンマーRPGなんかもそうじゃないでしょうか。ある種のチーズのように好みが分かれるゲームですが、それはゲームの中での振舞い方に型があるから。戦闘に勝つためにとるべき行動、とは別に。

●型を知った上でそれを踏襲するか、あえて外すかは自由ですが、どちらにせよ型を知っていないといけません。知らないとゲームの間、なんとなく不安なままになります。それにはやはりやってみるしかないのですが、ひょっとしたらリプレイってのはそういう勉強のためにあるんでしょうか。

 正装する、ということは愉しいことである。社会の掟に、進んで身をまかせ、自らを縛する、というところに、一種の快い、引緊った安堵がある。タクシードを着て凛々しい快感を覚えぬ男があるだろうか。


伊丹十三の「ヨーロッパ退屈日記」で正装の快感と題された文章の一部です。TRPGの楽しみにも似たような部分があるのでは。