それでも町は廻っている
●GWに遊びに行った友人の部屋で読んで、面白かったので今さらながら自分でも買いそろえました。
●2巻に歩鳥と紺先輩がSF的事件に巻き込まれる話があって、そのときの紺先輩の台詞が俺に痛かったです。
「ついに日常を離脱したっ この不思議な事件の中心は私なんだ…って」
●誰しも、と一般化していいのかわかりませんが、子供の頃、自分は特別な存在で、そのうち何か劇的なことが起こって人生が変わってしまうにちがいないと思ってたんじゃないでしょうか。俺は思ってました。漫画やテレビのようなことになるにちがいないと。しかし成長すると、いやそうでもないな、とわかってきて現実と折り合いをつけるようになる。環境のちがいなんかで、それが早いか遅いかの差があるだけじゃないか。必死で努力したからといって報われるとはかぎりませんが、求めないとそもそも与えられない。そんなことがわかったころにはかなり出遅れてる。
●紺先輩はいわゆる高スペックなキャラで恵まれてます。しかしいつか自分に劇的なことがおこるにちがいないと漠然と考えてしまう程度には、日常に退屈してるか幻滅していたわけです。それを自力で突き崩すようなことはできてません。そのあたりがちょっと切なかった。高校生くらいならそれで普通ですけど。
●まあこの話自体はそれ町の基調である日常からは浮いていて、他とつながらずに単体で終わってる話なんですが。
- 作者: 石黒正数
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2006/10/26
- メディア: コミック
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