サバトのパック

●すこし前の記事に反応してですが、
http://d.hatena.ne.jp/nacky7/20100411
コメント欄あたり。

サバトとは旧版の「ヴァンパイア・ザ・マスカレード(V:tM)」の設定において、人間性の仮面を重視するヴァンパイア組織カマリリャに対して、怪物としての本性を重視するヴァンパイア組織です。別にどちらが善で悪ということはありません。怪物であることを肯定する彼らは、人間性の掟にしばられたカマリリャに属するPCの格好の敵役なんですね。PLがとりづらい戦術を使うことができ、非人間的な彼らと対比されることでPCの人間性が強調されます。

●このサバトがどうやって組織社会を維持しているのかが、たしかに理解しづらい。適者生存を絵に描いたような集団なので、組織内でのやったやられたもカマリリャのようにひそやかなものではありません。サバトのヴァンパイアもパック(チーム)を組むのですが、当然、仲良しが集まったようなわけにはいかない筈。気に入らない相手を殺すことが否定されない状態でパックを組めるものなのか。なぜ組むのか。思考実験じみてきますが。

●そういうニュアンスを感じるのは、アメリカ作品で見る人種や階層ごとに分かれたギャング。ボウリング・フォー・コロンバインで知ったハイスクールのジョックのような、生徒間でのヒエラルキー。パニック映画で事態の対処法をめぐって主導権争いが発生するのもそうかな。どちらが上かはっきりさせるものな。思いつくまま。