オーランス、アーナールダに会うその2

Epikt2009-07-12

●皇帝との4度目の技くらべを行なうことは不可能でしたが、オーランスはそれをしなければなりませんでした。かつて皇帝は、未知のものは検分のために皇帝の元に持ってこなければならないと要求したことがあったので、オーランスはそうすることにしました。彼はまったく新しいものを捜し求めましたが、この検分は長い間おこなわれていたので、見つけることができませんでした。

オーランスはある日、ユールマルに出くわしました。トリックスターのユールマルは孤独で多くのひどいことをやらかしていましたが、最新のおこないは世界で最初の死体をつくったことでした。ユールマルはそのころまだ白かったワタリガラスの姿をしており、男の死体を食べようとしていました。

●「これは何だ?」オーランスが尋ねました。今までオーランス以外の誰からも話しかけられたことがなかったのでユールマルは驚きました。「それは、さて、えー、御存知のように、新しいものです」ユールマルはその瞬間、「死」を持っていることにまったく自信を失いました。

●「この悪賢い小さな怪物め、」オーランスは言いました「おまえの遊びにはつきあわんぞ。ぎゃあぎゃあ騒がずにそいつを俺によこせ。おまえは何が欲しい? 言え、俺たちは交換するのだ。俺がおまえを保護するというのはどうだ?」それは小さな提案ではありませんでした。

●ユールマルは誰からも嫌われ、殴られ、呪われていたので、これは素晴らしい申し出でした。「しかし、私があなたに従ったときだけですよ」ユールマルはうっかりもらしました。彼らはお互いにだましあい(ユールマルは本当にオーランス服従したわけではなく、オーランスも完全な庇護を与えたわけではない)、笑って手を握り合いました。オーランスは新しいものを持ち去り、ユールマルは食事に戻りました。

つづく

●よくわからないところはごまかしたりはしょったりしてるので、正確な訳ではありません。