ヒョルト人のカルト:オデイラその2

Epikt2009-05-15

●オデイラの信者は狩人です。しかしステッド(集落)に住み、森に入って動物を獲ってくるような狩人ではありません。そっちはオデイラの兄弟オーマラヤの信者です。オデイラは文明の外にいて、その信者は自然(Wild ということなんですが、上手く語感を伝えられる訳語が思いつきません)の中で暮らし、たまにステッドに獲物を持って帰って来ます。

●日本でいうところのマタギに近いように思いましたが、ちがう部分もあります。あちこちでかじり読みしてみたところ、マタギは集落や村の男たちが1年のある時期、山に入って狩猟生活をすることを指す場合が多いようです。オデイラ信者の多くは狩猟のために小さい集団をつくりますが、それぞれの出身や所属するステッドはばらばらなのが普通みたいです。集団に属さないものは何週間も、あるいは1つの季節、それ以上の長い期間を他の人間に会うことなく狩猟をして暮らします。結婚して、家族とともにステッドを離れて暮らしている信者も一部にはいます。

●オデイラ信者の狩猟は単に動物を狩るだけでなく、釣りをしたり、野生の植物を食べたりといった自然の中で生きること全般を含みます。人間が農耕を覚えて定住する前の生活スタイルで、オデイラのカルトも古いものです。オデイラはドラゴン・パスではオーランスの息子としてそれほど大きな勢力を持ちませんが、信仰は広範囲におよび、現在ルナー帝国に属しているシーリラ地方では主神格です。

●オデイラ信仰は神教ですが、多分に精霊崇拝(呪術)の要素が含まれています。狩猟の仕方や獲物の屠り方など独自の細かい掟が(おそらく禁忌も)あり、祈りの歌や踊り、動物になる儀式などがあります。狩猟そのものが信仰の実践です。アルドリアミ(エルフ)やスンチェン人と協力することもあるようです。ステッドを基本とする氏族社会のオーランス人とは別のルールに従って生きてるわけですね。