ヒョルト人の戦争その2

●やっぱり fyrd は民兵でいきましょうか。今度は「Thunder Rebels」から。

民兵は成人男性の半分、氏族の人口の20%くらいだそうです。500人の氏族なら100人を召集できます。専業の戦士は戦いの訓練に時間を使い、よい武器と鎧を持っています。職業キーワードでいうと戦士(Warrior)、近侍戦士(Weaponthane)、勇士(Champion)、戦の群の長(Warband Leader)ですね。PCの戦士はここの一番下っ端であることが多いと思います。

●氏族間の戦いがどんなものか。いわゆるオーランス人同士の戦いの場合です。

●両方とも配置は同じで、勇士や戦士が前に出ます。後ろでは民兵が整列して「盾の壁(Shieldwall)」をつくります。戦いには4段階あり、最初は勇士の戦いです。勇士は氏族でもっとも優れていると自他ともに認める戦士です。彼が歩み出て名乗りをあげ、挑発します。もう一方の氏族も勇士を出し、挑戦を受けなければなりません。このとき勇士を出せないと「オーランスの嘲笑(Orlanth's Scorn)」と呼ばれる呪いが発動して、その氏族の士気が大きく下がります。名を上げようとする若者や、族長その人が挑戦者になるかもしれません。戦いが深刻なものでない場合、勇士の勝敗がついた時点で片方の氏族が敗北を認めることがあります。

●次の段階が戦士の戦いです。前線の戦士どうしが戦い、相手を敵側の盾の壁まで押し戻そうとします。魔術によって浮かんだ戦士や風のダイモーン(神霊)が飛び交うのはこの段階だそうです。敗れた戦士は盾の壁まで下がり、民兵に合流して壁をつくります。

●盾の壁をつくる民兵はこの間、投げ槍、斧、暴風、雷石などの攻撃にさらされます。この攻撃によって陣が崩れれば、逃走/追撃の段階に入りますが、持ちこたえれば民兵の戦いに移ります。これは総力戦のようです。片方が降伏するか、逃げ出すまで続きます。

●壁が崩れて逃走を始めると、追撃戦が始まります。追撃する側にとって攻撃は容易であり、死傷者や捕虜が出るのはほとんどがこの段階です。通常、日没になると追撃は打ち切られます。

●ヒョルト人にとって奇襲は当たり前の戦法です。彼らの土地は起伏にとみ森も多く、奇襲に向いています。戦争の指導者、武器の近侍などは土地勘や奇襲戦術に長けており、同時に奇襲を予期することにも長けています。