エシルリスト卿その3

●それでようやく異界に生身で入って生身で出てくる話になります。エシルリスト卿がやった行為は、「ルーンクエスト'90s」では地獄への侵攻と表現されてますが、ルール的にはどのように説明されるのか。まあさっぱりわからないんですけども。

●黒馬領はの魔術は、下級教団「黒馬教団」と上級教団「黒鉄教団」にくわえて「断罪教団」です。これらはマルキオン教の一派であるアトロクス教会の流れを汲むそうです。ただし西方の現在のマルキオン教諸宗派のほとんどから異端と見なされてます。ようするに、エシルリスト卿と彼の騎士たちは昔から魔道を使っていたようです。

●異界の性質はそれぞれの界(神界、精霊界、魔道界)で異なります(その辺り、「ヒーローウォーズ」に意外に詳細に説明されてて驚きました)。エシルリスト卿がそうしたからといって魔道で異界に行く場合、肉体ごと行くのかというとそうではありませんでした。

門は物質界と練達界をつなぐ入り口となり、魔道士の意識は肉体を離れて、常に練達界(精髄界ともいう)に存在する“精気体”に移る。

やっぱり肉体は置いていくんですね。肉体ごと行ってしまうのは精霊界が一番簡単そうでした。祈祷師の円を踏み出してしまえば、物質界からは消えます。戻って来られるかはわかりませんが。

●世界には異界の障壁が薄いところや、直接異界につながっている場所があり、例えば高山の山頂や地下深くの洞窟がそうで、エシルリスト卿はそういう場所を利用したんでしょう。

●もう1点、経過した時間の問題もあります。実は各界で時間の流れの早さの目安が決まってます。神界は物質界の1〜5倍、精霊界は1〜いくらでもありです。精霊界が一番無茶苦茶なんですね。魔道界はなんと1倍で固定です。物質界と時間の流れの早さは同じ。

●不老不死になっていたエシルリスト卿はともかく部下たちが400年を過ごせたとは思えないので、彼らのいた異界が魔道界だとは思えません。それやこれやを考え合わせると、やっぱり地界は無法地帯だな、としか言いようがない。

●…いや、異界だと通常の人間がこうむる食欲や睡眠なんかの必要はなくなるんだったかな。