ヒーロークエスト中の肉体

 周公旦が内に地中に視力を放っているその時、外見、その姿は周公旦は地に向かって招き、さらうような引っ張るような動作をしている。内側では三王の所在を発見したからであった。

「周公旦」酒見賢一

●初歩的なことなんでしょうが。ヒーロークエストをおこなっている間、クエスターの肉体がどうなっているかという話。

●ヒーロークエストに限らず、オーランス人(アーナールダ含む)の儀式では信者は神界(異界)を訪れます。その間、肉体は物質界にとどまっています。それも眠ったり、意識を失ったりすることなく活動しているそうです。

●「Thunder Rebels」にそのことを説明した囲みがあって、例えばオーランス信者の男たちの儀式では、彼らは儀式の間ずっと踊っており、その最終段階では彼らの体は寺院の上空を飛んだりします。しかし実際には彼らの魂は神界に行っており、物質界にはいません。儀式に参加していないものはそれを感知できないので、物質界で起こっていることだけを見ることになります。アーナールダ信者の女たちも同様で、儀式の中で彼女たちが眠りに落ち、大地の領域を訪れている間も、肉体は踊っています。

●肝心なのは“魂は離れている”という概念のようです。聖祝季の光持ち帰りし者たちの探索行の儀式でも同じでしょうから、クエスターたちの魂が異界でクエストをおこなっている間、物質界で見えるのは代替物を使った再現芝居になるわけです。儀式やヒーロークエストのときに物質/魔術両面での見張りが立てられるのは、肉体が無防備な状態にあるからなんですね。肉体が破壊されると恐らく死の力が働いて、クエスターの魂はそのままあの世行きになると思われます。ゴーストになって帰って来る可能性もあるかもしれませんが。

●あらためてフーンと思うと同時に、しかし肉体ごと異界に入った事例もあったよなぁ、とまた別の疑問が。