ヒョルト人のあの世

Epikt2008-12-24

●「グローランサ年代記」にヒョルト人の死後観が死者の書ふうに書かれてます。死者の魂は死後7日間は体のそばを離れず、魂としての在り方に慣れていきます。7日たつと物質界を離れ、みずからの心臓を通ってあの世(異界)に行きます。オーランスとアーナールダの加護により、これはどれだけ仲間や故郷から離れた場所で死んでもそうなります。神話では“案内人”イサリーズが死者を導くと説明されています。信仰上のつながりによるのだと思うのですが、だったら入信前の子供はどうなるんでしょうか。

●ここですでに他での説明と矛盾があります。死者の魂は7日かけて沈黙の宮廷にたどり着くのですが、そうすると沈黙の宮廷に着くのは死後14日たってからということになります。しかし死体は7日保存されると蘇生の可能性無しとして火葬されてしまいます。計算が合いません。

●異界に入った死者の魂は他の死者たちの列に加わります。この時点では民族も種族も関係なく、ブルーなんかも混じってるそうです。オーランス信者は途中で別れ、沈黙の宮廷に向かう路をとります。他の連中もそれぞれ向かうべき場所に向かうんでしょう。これが死の力ですね。

オーランス人の路の途中には剣の川があり、骨の橋がかかってます。死者はここを渡らなければならないのですが、ジャナク(Janak)と呼ばれる守護者がいて、嘘つきだった死者を長い棒で突き落として苦しめます。なぜ裁きを受ける前にこんなチェックポイントがあるのか、ジャナクが何なのかはわかりません。

●沈黙の宮廷は外見は巨大な塔のように見え、百の扉を持ちます。中は大きな広間になっており、死者たちは沈黙して自分の番を待ちます。使者を裁くのは「定命の祖父(Grandfather Mortal、ダーカ・ファール(Daga Fal)ともハーヴァン・ヴォール(Havan Vor)とも呼ばれる?)」です。彼はフマクトの死の力で最初に殺された存在です。広間の桟敷には神々が並んでいます。死者の魂はダーカ・ファールに見てもらい、神はそうすべきと判断すれば、その死者の生前のおこないについて証言します。ダーカ・ファールは死者を裁き、その行くべき場所を決めます。死者は百の扉の1つを通って出て行きます。

●生前、敬虔だった死者はそれぞれの神の異界に行きます。しかし罰せられる魂は“「死んだ大気」の中へ行って、腹をすかせた精霊どもに夜と昼となく追いかけられる”のだそうです。嵐の神殿の地獄ですね。しかしあくまでオーランスの領域内にあるようなので、十分に罰せられた後、再び転生できるのかもしれません。