あの世のイメージ

●昔、水木しげるの世界の天国と地獄についての本を読んだことがあって、そのタイトルが思い出せないのですが。地獄は細部にいたるまでこれでもかと考えられているのに、天国になるとなんだかぼやけてしまうという主旨のことが書かれていたと思います。仏教では極楽というそうですが、楽しさ極まる極楽はどんな状態かというと、お釈迦様の説法聴き放題とかそんなだったような。楽しいかな。

●聖戦で死んだら毎日酒飲み放題だし処女とやれるよ、って宗教もあると聞きましたが、それでもその程度じゃないでしょうか。星新一ショートショートでも天国は退屈な所だというのが相場のようです。砂漠で暮らす人間なんかにとってはそのままで飲める水があり、食糧の心配をしなくていいならそれで天国かもしれません。マイナスの要素がない状態が天国で、それ以上のすごいプラスの状態を考えるのは難しい。

●だから世界で苦しんでいる人から見れば日本は天国なのだと怒る人もいて、そういう人にかぎってあまり幸福そうな顔をしてなかったりするのですが。

●一方で地獄はたしかにすごいですね。世界の地獄もすごいですが、日本人も地獄を考えるのは得意。針山地獄、火炎地獄、無間地獄…なんとかかんとかでバリエーション豊富な上に詳細です。なぜか地獄に妙な親しみを感じていて、「じごくのそうべえ」なんて絵本が子供に人気だったりします。人間、苦しいことは想像しやすいのですね。

●今、検索してみたらそうべえにはいくつかシリーズがあるようです。「そうべえごくらくへゆく」というのもありました、ってオイ。
 

じごくのそうべえ (童心社の絵本)

じごくのそうべえ (童心社の絵本)