ヒョルト人の階級:小作人

●実はまだわからない(笑)

●牛の数がどうとかじゃなくて、要するに長館(Longhouse)で共同生活せずに、小屋で暮らしてるのが小作人らしいですね。長館では財産は共有に近いです。みんなで牛の面倒を見て、みんなで農作業して、という生活です。半人前の若者でも未熟な農民扱いされるんじゃないでしょうか。

●小屋で暮らしてる連中のうち、癒し手や下級芸人、商人はそういう生き方を自分で選んだ、あるいは神に選ばれたということで理解できます。問題は枝拾いと庭師です(とりあえず乞食は除く)。彼らはどうして小屋暮らしをするようになったんでしょう。貧しいから小屋暮らしなのだ、という説明はヒョルト人の場合あてはまらないように思います。長館に暮らしている人間も私財はそれほど持っていないはずです。また氏族の決定として彼らを長館のメンバーに加えることもできるはず。

小作人の中でも底辺の職業である枝拾いについてははっきり説明されていて、彼らは小屋すら持っていませんし、居場所を与えてくれる人もいません。“貧しい氏族の中で、とりわけ貧しい、あるいは不具となった構成員が枝拾い”です。ときどき簡単な仕事を頼まれますが、期待されていません。それでもぎりぎりで氏族社会の中にとどまっているわけです。

●たいていの人間が親族を持つ氏族社会の中で、庭師や枝拾いがどういう過程で長館の生活から排除されるにいたったのか不思議です。「グローランサ年代記」の記述では、“家族は個人の最も近い関係にある親戚を含む非公式な(法的ではなく実質的な)ものである。これは必ず妻、親、兄弟、子供を含んでいる。また、一緒に住んでいる伯父、伯母、甥、姪などが含まれることもある”のだそうで、これだけ広い定義の家族から外れることがあるんですね。