ウズヒム(雪トロウル)

●ヴァリンドの氷河に住む知的種族で一番多いのはウズヒム(Uzhim、雪トロウル)らしいです。10,000人くらい。氷河以外にも北方の東から西まで分布しており、全部で72,000人ということですが、多すぎやしませんか?

●以前いただいた「ウズ・ロア」という資料がやたらとウズを詳細に解説してまして、ウズヒムも載ってます。これ、トロウルのウズ(Uz)にトロウルの冷気の神ヒミール(Himile)のヒミを足した名前なんですね。今、気がつきました。

●トロウルは光が苦手ですが寒さには強くて、マイナス40度までは耐えられます。ウズヒムは若干青い皮膚を持つ以外はダーク・トロウルと同じです。知性も同じくらいですが、狩猟と漁を基本とする単純で原始的な文化しか持ちません。ウズヒムは建物を建てることをしません。他の地域のトロウルのようにトロウルキンを所有したり、昆虫を飼育したりもしません。粗雑な獣の皮をまとい、氷原を素足で歩きます。そうするのに適した幅広い足を持っています。

●ウズ・ロアに書いてあるところによれば、彼らの財産と言えるのは石器と石器で細工した皮細工くらいのもので、それを各人が持つ毛皮袋に入れて持ち歩いているそうです。この袋は寝袋も兼ねます。狩猟の道具でもあり武器でもあるのは銛です。ウズヒムは特にひどい冬には人間の土地を襲撃することがあります。

●ここまで単純な生活になってしまうと、信仰する神も基本のカイガー・リートル以外は狩猟の神になってしまうでしょうね。ヒミールがどういう扱いなのかわかりかねます。

●雪トロウルは神話の時代に地下から脱出して北にたどり着いたトロウルの一派だと思ってたんですが、その北上した混沌殺しのボズタカングの一族は実は後発の合流組で、それ以前からヴァリンドを崇めるトロウルたちが住んでいました。ヒミールはトロウルの暗黒の女神スビーリー、暗黒の精霊の神デイホールの二柱の神の兄弟でしたが、イェルムが地下に降りてくるよりも前に分かれたそうです。

●ウズヒムにとって冬の神ヴァリンドと冷気の神ヒミールのどっちが主要な神なのか気になりましたが、憑坐(よりまし/シャーマン)がいるところを見ると彼らは神教徒ではないんですね。ウズヒムの憑坐は雪と闇の精霊を使います。