ヒョルト人のカルト:ウロックス

Epikt2008-10-04

●癒しの女神チャラーナ・アローイと混沌殺しの狂戦士ウロックス(Urox)の関係について書こうとして、ウロックスについても知っておかないとまずいと思い、そっちに手を伸ばすことにしました。ウロックスはドラゴン・パスの東にあるプラックス地方では、ストーム・ブルという名前の大精霊として崇拝されている側面も持っています。しかしそちら側の知識はまるでありません。だから半分だけですね。

●ウロックスはドラゴン・パスでは嵐の神殿の1柱であり、プラックスでは大精霊、しかもそれぞれで主神ではない、というのが変わってますね。プラックスというと不毛の地(砂漠?)で、ヒョルト人に比べても文明化されていない騎獣の民(バイソンライダーとか。馬はいない)が暮らす土地というイメージしかありません。

●ウロックスは嵐の神殿の主神オーランスの兄の1人で、原初の嵐の神ウーマスの息子、砂嵐の神です。まだ子供だったころに兄弟たちと一緒に受けさせられた通過儀礼では、獣の檻に放り込まれました。彼は野獣と戦い、柵を壊して獣たちを解き放ちました。嵐の兄弟たちの中でも、暴力性という点で破壊の風ヴェイドラス(Vadrus)に次いでいます。

●神になったウロックスは気のむくままに暮らしていたようです。ウロックスの神話では、オーランスとは別に宇宙山スパイクから降りたことになってます。彼は他の神々と戦い、女神たちとつがい、その子供たちは地に広がりました。ウロックスの力は考えなしにふるわれ、彼が弱らせた火の神ヴェストカルテン(Vestkarthen)がウズ(トロウル)に捕らわれたことは大暗黒の原因の1つとなりました。大暗黒が訪れて敵の神々がやってくると、彼は先頭に立ってますます激しく戦いました。狂って邪悪になった兄弟のラグナグラー(Ragnaglar)を殺したのも彼でした。

●多くの神々を殺し、破壊しながら混沌の悪魔ワクボスがやってきました。愛した者たちを殺され、東方の最後の守り手となったウロックスは高潔な激怒と激情に満たされて悪魔と向かい合いました。ワクボスは強く、ウロックスは1度死ぬところだったのを大地に助けられました。再びワクボスに投げ飛ばされた彼が叫ぶと、爆発したスパイクの巨大な欠片が落ちてきました。彼はそれをワクボスに叩きつけ、悪魔は押しつぶされました。

●深手を負ったウロックスは嵐の丘まで足をひきずって歩き、そこで死にました。そして地界で再びワクボスと立ち会いました。ワクボスは1人でしたが、今度のウロックスには大勢の仲間(死んだ神々)がいました。戦いの最中、ウロックスの求めに応じた蜘蛛の女神アラクニー・ソラーラが彼女の網でワクボスを捕えました。混沌は滅び、世界は再生されました。

オーランスの神話とだいぶちがうじゃねえか、と言いたい(笑) ウロックスが体験した大暗黒とオーランスの大暗黒はちがうんでしょうね。オーランスとどっちが強いの? という禁断の質問が喉まで出かかってます。

●なかなか感動的な神話ですが、しかし身近にウロックス信者がいるとたいへん迷惑するようです。


[追記]
ウロックスとプラックスについての資料の情報をいただきました。
ストーム・ブルとオーランス - illuminate33の日記