黒樫の氏族

●ルナー帝国による支配の下、ドラゴン・パスではヒョルト人のルナー化が進んでいます。コリマー部族の黒樫の氏族(Black Oak Clan)はルナーに服従した部族王ブラックマー王(King Blackmor)によって創始された、ルナー化した氏族です。

●ブラックマー王は自分の思いどおりに動く氏族を望み、新しく黒樫の氏族を作りました。氏族の長はブラックマーの従兄弟である、転んだ嵐のダーステン(Darsten Turnstorm)です。伝統的にコリマーの部族王に与えられる土地と、ルナーに反逆して追放されたアンマンガーン氏族(黒い槍の氏族)の土地をあわせたものが、黒樫の氏族のトゥーラ(領地)となりました。ブラックマーはルナーに対して反抗的な氏族や部族を略奪して黒樫の氏族を富ませ、氏族は多くの富と同じだけの憎悪を集めました。ルナーはブラックマーを協力者として優遇しており、占領軍を率いる将軍タティウスから魔法の羊、艶のある赤毛の羊(Sleek Red Sheep)が贈られています。
この羊を家畜泥棒するシナリオがあります。 mallion さんのところに解説(ネタバレあり)があります。
Sheep,Clouds,Thunder - まりおんのらんだむと〜く+

●氏族を構成するのはルナーに寝返った者、追放された犯罪者、日和見主義者、そしてこれを大きなチャンスと見た野心家です。その数は今では成人だけで400人に達しています。しかし年齢の分布が歪んでおり、加えて未成年がその半分以上います。またブラックマー王がルナーの奴隷制度を受け入れているため(コリマー部族の領地にはルナーの奴隷農場がある)、黒樫の氏族にも多くの奴隷がいます。他の氏族を襲撃して得た虜囚などです。

●子供が多いのは子供の方が扱いやすいのと、すでにオーランス信仰に入っている大人よりは新しい考え方を受け入れやすいからでしょうか。彼らが成人するころには強力な氏族になる計算ですね。養うための資産は十分にあるわけですし。オーランス人にも「農奴(thrall)」という身分があり、奴隷的な存在はいたわけですが、ルナーが入ってきてからは自由の尊重を強調するために、ほとんど撤廃されました。しかしルナーを受け入れたサムバリ部族は堂々と奴隷を売買しているのだそうな。

●黒樫の氏族はルナーの神々を崇めています。嵐の神オーランスに替わる神として“忠実なる嵐”ドバーダン(Doburdun, the Loyal Storm)が浸透しており、戦の神としてはルナーの軍神であり七母神の一柱でもあるヤーナファル・ターニルズが信仰されています。女たちのアーナールダ信仰は残っていますが、ホン・イールの儀式が取り入れられ、トウモロコシの栽培も始まっているそうです。農業の神はバーンターで、ルナーはこのおとなしい神の信仰を推奨しています。

●ルナー化というよりは隣国のルナー化したターシュのやり方が持ち込まれている感じですね。黒樫の氏族は伝統的にオーランス人が嫌悪している犬の飼育すら始めています。この氏族のやり方は、まだオーランスの伝統を守っている他の部族からはいかにも奇妙で不穏に見えます。