移動と変化の神ラーンステイ

Epikt2008-07-17

●じゃあラーンステイって何なのってことで。オーランス人の神話では、原初のグローランサの宮廷におけるつがいの会の8柱の神々のうちの1柱です。移動と変化の力を持ち、法の神エイコースと対になっています。現在(英雄戦争時)にはもう信仰されていません、ということですが、ラーンステイ教団があるので嘘ですね。ただ、このグローランサの宮廷の神話がオーランス人以外の民族にどのくらい通用するのか心許ないです。ダラ・ハッパ人には曙の神話すら通じないわけですし。

●ラーンステイはドラゴン・パスの地に因縁があります。これはラーンステイの外での活躍がオーランス人の知るところではないのか、あるいはそもそも外にはラーンステイなんて神がいないせいなのか、わかりません。ひょっとしたらドラゴン・パスやヒョルトランドだけの小さい神で、さかのぼってグローランサの宮廷の1員とされたのかもしれません。

●ラーンステイが残した痕跡は2つです(俺が知ってるのは)。1つはケロ・フィン山。もう1つが「ラーンステイの足跡(Larnste's Footprint)」です。ケロ・フィン山はドラゴン・パス地方の最も高い山で、原初の嵐の神ウーマスとの間にオーランスを産んだ女神とされています。このケロ・フィン山となった「山の種」を埋めたのがラーンステイです。 Zeb さんのところで紹介されたケロ・フィンがラーンステイの娘だという説は、これをさらに進めた解釈ですね。
ラーンステイとヘンドレイク王 - illuminate33の日記

●ドラゴン・パスは古くからドラゴンの住むところだったらしく、山々の種をまきながらやって来たラーンステイは年老いたドラゴンと話すためにしばし足をとどめました。会話の中身が知りたいところですが、伝わっていません。その後、ラーンステイは特に気に入っていた山の種をこの地に深く埋めました。これがケロ・フィンです。

●ケロ・フィンはドラゴンだとする説もあり、ケロ・フィンとつがおうとした石の竜ドラスダウ(Drathdaw)の神話も残っています。彼? はオーランスに退治されてしまいました。この竜がまともな竜ならケロ・フィンをドラゴンだと認めて発情したことになり、ケロ・フィン=ドラゴン説が成立する証拠になるんでしょうけど。ケロ・フィンに限らず、山を眠っているドラゴンとする考えは、オーランス人以外の民族にもあるようです。

●ラーンステイの足跡はヒョルトランドにある幅32km、長さ97kmにおよぶ広大なくぼ地で、ラーンステイが怪物を踏みつけたときの足跡だと言われています(ユールマルの尻の跡といい神様はでかい)。いつ、何を踏んだのかが気になるところですが、それは神話時代の神々の敵「先闇」である、という説があるようです。先闇を倒したのはウーマスですけれども。現在(英雄戦争時)、この地は混沌の怪物たち、特に半人半蠍のスコーピオンマンの土地になっています。

● mallion さんによれば、第二期のヒョルトランドの地図には、このラーンステイの足跡が無い…のだそうです。急にうさんくさくなってきたな(笑)
第二期探訪:ケタエラ - まりおんのらんだむと〜く+

グローランサ、というよりグレッグ的な思考になれてくると、この2つくらいしか痕跡を残していないラーンステイが本当に変化と移動の神なのか、創世初期における重要な神だったのかがあやしくなってくるのですが。