オーランスの不在

Epikt2008-05-27

●ヴィングコットの子らの時代にオーランスが追放されていた時期があると知って興味を持ったんですが、資料があんまりないんですね。それで検索をかけたら Zebraface さんの「グローランサの宝庫」過去分の「アラコリングのサガ」の中にありました。
Saga_Alakoring_5

●英文なので意味を取り違えているかもしれませんが、これはワームの友邦帝国というドラゴンと人間の帝国の支配力が強かった時代に広まっていた神話で、オーランスとドラゴンの仲が大変よろしく、シュ’ハカルジールがオーランスの後ろ盾になったりしてます。その後、ワームの友邦帝国が竜殺しのアラコリングに破壊されたことからこの系譜の神話は下火になり、オーランスとドラゴンは敵であるとする神話が主流になった、という体で書かれています。これが同人設定なのか公式なのかわかりませんが、面白かったので。

[注記]
Zebraface さんからコメントいただきました。同人設定です。

オーランス追放のきっかけはアーナールダの訴えでした。オーランスが彼女の兄弟の死の復讐をしない、ので義務不履行で追放すべきであると、族長のオーランスに言いました。嵐の部族は騒然としましたが、オーランスはみずからがつくった法を守り、追放されることにしました。また別の説では、オーランスの兄弟たちが陰謀をたくらみ、オーランスを追放したということです(俺の心当たりではフマクトの「死」をオーランスが勝手に使った件。しかし時間が経ちすぎているか)。

●昨日も書きましたが、このときあくまでも彼について行ったのが四方の風(ヘドコーランス、エンフェラルダ、フィノヴァン、ヘラマクト)とインキンでした。エンフェラルダってアーナールダの変装した姿だったはずなんですが。

オーランスはインキンと一緒に放浪してた若い頃の自由を思い出して、わりと元気だったそうです。一方、残された部族はあらためて族長を選び、オーランスの息子ヴィングコットが高王に選出されました。しかし部族内での親族争いが発生し、雷鳴の兄弟たちも争うようになりました。

●一人身になったアーナールダには求婚者たちが現れました。“輝きの”エルマルと“毛深い”ヘラー(油断も隙もねえ)、“深淵の”ヴェストカルテン(懲りない人だ)、“黒の”ドジョー(Dojor the Black、トロウル?)、“強き”デラン(Delan the Strong)。そして大胆なヴェラダッシュ(Dashing Veradash)という放浪者も加わって、彼女の寵愛をめぐる争いが始まりました。

●アーナールダの対応には2説あって、花嫁装束が仕上がるまでは結婚できない、とかわし続けた説と、毎年夫を換える結婚を行ったという説があるそうです。民族とか地方によって話が異なるんですね。雷鳴の兄弟たちは反乱を恐れた大地の家族たちに武器を取り上げられ、小作農として働かされました。この辺りで大地の部族が支配権を得るためにオーランスを追い出したんじゃないか、という疑いがわくのですが。

●結局のところ、実はオーランスは異邦人のヴェラダッシュに変装して戻って来ており、ヴィングコットの仲介もあってアーナールダとよりを戻します。帰って来た雷オヤジはゆるんでいた嵐の部族のたがを絞め直し、フマクト、ウロックス、コーラートなどの兄弟たちとの紐帯をあらためて強くしました。

●なお、エンフェラルダに変装したアーナールダが夫のオーランスに浮気をせまる話と、ヴェラダッシュに変装したオーランスが妻のアーナールダと浮気をする話の両方が残っているそうです。迷惑な夫婦です。