ウィザードリィ日記

Epikt2008-04-09

●ダーガーで連想したので。TRPGは恥ずかしいか? 恥ずかしいね。ファンタジーだからじゃないかな。それもアーシュラ・K・ル・グィンが激しく主張した魂の探求云々のファンタジーじゃなくて、「サラリーマン男性の84%が同僚の女性に性的ファンタジーを持ったことがある」のファンタジーに近いからではないだろうか。

●偉大な先人がいまして、「ウィザードリィ日記」を書いた矢野徹氏です。俺が読んだのは角川文庫の「ウィザードリィ日記 熟年世代のパソコン・アドヴェンチャー」です。SF作家で翻訳家の矢野徹が63歳で初めてパソコンを買い、ウィザードリィにはまっていく日記です。もう古典なのか。昔は同名のウィズ日記がネットでもちらほら見られましたが。1986年の日記で、当時のパソコン周辺についてはもう本当に懐メロ、過去の話になってます。

●そういう触れ込みだったので読んでみたら、ウィズが中心なのは前半部分だけでした。中盤から白昼夢というか妄想みたいなのが日記に混じりだします。ウィズ好きならお馴染みの自分がウィズ世界にいるアレです。レベルが高い俺があっちの世界でモテモテという、思春期っぽい妄想です。これが入ってくる。

●今なら黒歴史とでもいうんでしょうか。小中学校時代にそういう妄想ってありませんでしたか、テレビゲームとかアニメとかで。矢野徹は性的な妄想も書いてます。いやほとんどがセックスがらみ(笑) ウィズ世界(自分で考えた)の女性とやったり。戦争を経験してる世代の矢野徹が、PCゲームのウィズをきっかけにそういう世界を知ったのか、取り戻したのか、そうではなくて前からあったのか(読書でも同じことが起こる気はする)はわかりませんが。本人に言わせると「精神年齢を少なくとも四十年は若返らせてくれたと思う。」

●ダーガーも自分の作品の中では、自分を優秀な将軍として活躍させてるそうです。ダーガーの場合、それが見つかったのは死の直前ですが、矢野徹は自分で日記として公表してしまったのがすごい。この妄想が兵隊時代の外国人女性との思い出にもつながっていきます。まあそれはいいので。

●何の話だったかな。矢野徹がウィズを始めたきっかけは安田均の本なので、いちおうTRPGにも関係ある話ですね。