アルコス

Epikt2008-01-30

●だいぶ前にILH1のアルコスを説明した部分を訳したことがあったので、そこから面白そうな箇所を抜粋してみます。訳は俺の意訳を含んでるので注意。

壁はその中で内世界(物質界)とダラ・ハッパの地界(地獄)が取って代わるために、単なる街の境界以上のものを表しています。街の中では星無き空の下で、情け容赦ないアルコスの民が生活し、愛し、戦い、そして他の民と同じように家族を養っています。彼らの日々の営みはシャーガシュの子供や従者、奴隷であるデーモンやゴーストの軍勢の傍らで行われます。

壁ってのはアルコスの外壁で「シャーガシュの環」と呼ばれます。門は4つあり、昨日リンクしたBLUEMAGIさんの所の説明ではそれぞれに意味があるそうです。さらに第5の門として、各「封殺寺院」の中に地界に通じる門があります(地獄への門か)。都市の外壁の外と中で世界が変わると説明され、街の中はデーモンやゴーストが存在する異世界らしいです。“この都市が地界に存在しているがゆえに、精霊たちと幽霊が絶え間なく通りを歩き回り、建物にとりついている。大部分の者が曙と夕暮れの時分を除いて透明である。(その時間はアルコスは非常に恐ろしい場所である!)”だそうな。

●地界につながる物質界の都市というよりは、異界である地界のとば口なんですね。その地界とはつまり地獄なので、この都市には死の影があります。いろいろと大げさに思える描写がありますが、これは比喩ではなく文字通り受け取った方がいいようです。だからきっと空には星が無い。神教では精霊的な存在は通常ダイモーンと呼ばれますが、地界ではデーモンと名前が変わります。だからアルコスにいるのはデーモンなんですね。

●宗教(カルト)ですが、

3人のカルトの構成員が都市の支配を分け合っています。赤の王は都市外部の関係に権限を持ちます(それは戦争のあらゆる面を含みます)。彼は無比の戦士であり、“破壊する者”シャーガシュの高位の司祭でなければなりません。緑の王は壁の内側を支配し、街の外の耕作地に肥沃をもたらします。彼は街の神アルコーの高位の司祭であり、「十一者」の指揮官であり、“浄化する者”シャーガシュのチャンピオンです。内世界の二人の王の背後にいるのが黒の王、彼はシャーガシュの神秘的な相とラカパス(崩壊と死滅)の力を凝縮して体現しています。黒の王はしばしば汚物と灰で覆われた通りを歩き、狂喜した市民が祝福を聞き、そして希望を抱く間、彼の神の隠された言葉で話します。黒の王の手による死は殺された者の家族にとって素晴らしい名誉です。死者の魂は来世においてシャーガシュに仕えるデーモンとなります。

赤、緑、黒のシャーガシュがいると。で、シャーガシュの息子アルコーが都市の神とされているようです。緑のシャーガシュ=アルコーなのかはわかりません。紹介ではこの3つだけなので、アルコスの女性の信仰対象としてシャーガシュの嫁さんとか娘などの女神が存在するのかどうかもわかりません。

●基本的に死と血に彩られた都市で住人は暴力的です(それだけではありませんが)。傑作なのは“彼らは帝国の大貴族達が関与する裏切りに満ちた「ダート戦争」を忌み嫌っている。その代わり、彼らは敵の家の門まで行進し、公然と彼に挑戦する。彼らはこのように正々堂々としないのは、シャーガーシュ神を冒涜することだと考えているのである。”気質ですね。

●しかしアルコスはルナーの中では立ち遅れています。その性質から敬遠されていますし、高位の政治家も出していません。それに不満を持つ若い人間はいると思います。