ルナー帝国大学

Epikt2008-01-25

●大学進学を希望する高校生を対象に新たに「高大(高校・大学)接続テスト」(仮称)というようなものが検討されるそうで、つまるところ少子化と不景気で大学関係者も飯が食えねえという悲しい現実が透けて見えるような。そんな前フリからルナー帝国の大学の話へ。

●通称、ルナー帝国大学(The Imperial Lunar University)。ルナー政府直営で、公式名称は「無限の知識の輪(the Circles of Infinite Knowledge)」です。学生はだいたいいつも2000人くらい。そのポジションは日本で言えば東大にあたると思われます。ルナー帝国には他に学校も私塾もあるでしょうし、貴族は家庭教師を雇うでしょうから、教育の機会は充実してそうです。

●入学資格はまず推薦です。誰の推薦でもいいというわけではない筈ですから、それなりの有力者のコネが必要です。ほとんどはルナー人貴族の子弟だそうですが、一部には皇帝や貴族の奨学金で勉強している学生もいます。推薦を受けた上で、知識と潜在的魔術能力の試験を受けなければなりません。本人の姿勢も問われるようです。

●学校(School、学舎というべき?)は月の周期に対応して7つありますが、そのうちの満月の学校は月面にある「イリピー・オントールのインク壺」です。イリピー先生の教室ですね。残りの6つは物質界にありますが、別に学部や教派(カルト)で分けられているわけではなく、学閥があるのかと思ったらそうでもないらしいです。学校間の健全な競争は奨励されています。

●新入生はまず1年間、(Six Starter)「6位の新入生」とでも訳すのか…クラスに属します。日本の大学だと教養課程でしょうか。潜在能力がテストされるのと同時に、大学(帝国)への従順さも試されます。独立志向の人間は放逐されるそうです。一部の教育者が喜びそうな制度ですね。

●学生は2年目に入るくらいまでに興味の対象をしぼって行き、(pathways)と呼ばれるものを選びます。俺らの感覚だと学部でしょうか。一般的なものには帝国科学、工学の他に、蛮族問題、魔法の工芸品の製作、異界の探索などグローランサならではのものがあります。上手く学門名に訳せないんですが。

●その上にコース(courses)があります。これは専攻…かな。コースは(pathways)から決まり、最初の5レベルから一番高度な1レベルまではっきりレベル分けされてます。下のレベルの課程が完了したと教官から認められないかぎり、上のレベルには進めません。

●教官から「このコースは君ムリやで」と言われたときは、別なコースをとるか、下の(pathways)からやり直すことができます。学生は自分の能力のかぎり勉強を続けられます。で、卒業ですが、辞めるのはいつでも自由みたいです。目的を達成したか、自分で見切りをつけるかすれば辞め時です。卒業生は卒業時に学校から等級付けされます。最下位の5から首席の1です。この等級で需要が変わってきます。優秀な人間はどこの世界でも求められるのです。

●しかしその前に、卒業生は在校した年数と同じ期間、政府に指定された公職を務めなければなりません。この辺が政府直営の良さですね。で、卒業生はもともと政府に対する従順さという基準を満たしている人間ばかりですから、その多くは期間をすぎても公職を続けるそうです。ルナー帝国の官僚ならまず願ってもないでしょう。期間を過ぎれば辞めるのは自由です。帝国大学の卒業生は貴重ですから、引く手は数多ですね。