女神転生的史観
●FC「女神転生I・II」のサントラがありまして、この解説書に女神転生の世界観が載ってます。鈴木一也によるもので、これが公式なものかはわかりません。少なくとも、今現在はこの設定が前面に出ることはないようです。
●人間の歴史を唯一神とその敵対者を軸にとらえたもので、一部の宗教には怒られそうな内容になってます。おおまかに2つに分けて考えることができて、前半は唯一神がキリストとマホメット、キリスト教とイスラム教によって世界を制覇し、他の神々を魔界に追い落とすまで。後半はほぼ世界を支配した唯一神に対するルシファーの反撃です。
●後のシリーズでメシア教と対立するガイア教の原型になったのは、ゾロアスター教の流れを汲むミトラ、ミロクのようです。アシュラ神族を含み、真・女神転生では仏教系の神々が中心でした。
●やばいのは、資本主義は悪魔によってもたらされたものであり、唯一神がそれに対抗してサタンをレー○ンとして転生させた、という設定です。おもしろすぎる。当時はまだソ連でしたしね(FC版IIが出たのは1990年)。
●けっこう泥臭い設定なんですが、これをちゃんと反映してたのは真2くらいまでで、それからの女神転生シリーズは歴史にあまり触れなくなり、お洒落なイメージを押し出すようになりました。俺が時代の変化を感じたのはペルソナシリーズのコスプレを見たときです。レイヤーさんにダサいとかかっこ悪いというひるみがありませんでした。
● wiki に鈴木一也さんの項目があって、鈴木銀一郎の息子さんだと初めて知りました。モンスターメーカーのゲームにも関わってて、人生色々だとしみじみしてしまいました。で、上の史観に基づいたTRPGも出してたんですね。売れなかったところを見ると、この史観を捨ててお洒落方向に行ったメガテンの判断は正しかったんでしょうか。