使える能力とは

Epikt2007-11-20

●実際ゲームする機会ないし知識ばっかり仕入れてもなぁ、と思ってしまったので、雑談モードに。自分の考えを上手く説明できないので、曖昧な話になってしまいますが。

●戦闘での強さは、戦闘の技能を増強できる神技をいくつもっているか、で決まります。これは戦闘に限らず、交渉、農業、狩猟、なんでもそうです。同じ方向に使える神技が多いほど強い。特化してるとか、集中してると言うんでしょうか。

●でもそれはゲームの中で、ある一つの限定されたシチュエーションにおいて言い分を通す力が強い、ということにしかなりません。特に〈近接戦闘〉なんかは用途が限定されます。重要な能力のように感じられるのは、従来のファンタジーTRPGと同じで戦闘を中心にしたゲーム運用をしているからです。本来、ヒーローウォーズでは戦闘も歌唱もその他の能力も等価なはずなんです。

●俺が昔やってた卓で面白がられた能力があります。あるヒョルト人戦士のPCが持っていた〈村一番の勇者〉です。これは元々、村一番の勇者と言っておけば民族や国といった大きな責任を負わされることはあるまい、という消極的な理由で入れた能力だそうです。俺は村一番の勇者だぜ? といきがっているものの実力は大したことがない田舎戦士のつもりだったとか。プレイヤーはFEARゲーで言えばPC4や5をやりたがり、PC1は嫌がるというタイプの人でした。

●ところがこの能力が卓のみんなに受けてしまいました。ヒョルト人で村といえばトゥーラですから、彼は氏族の暮らすトゥーラにおいて一番の男になります(プレイヤーはPCを作成した時点では、ヒョルト人社会の知識はゼロでした)。同じ氏族のPCが「いや、村一番の君にはかなわない」と言って責任を押し付けたり、GMも「氏族のみんなは君に期待している」とプレッシャーをかけたり。他の氏族からやってくるNPCは「このトゥーラには勇者がいるそうだが」と言い出す。

●また、彼の存在は設定を動かしました。氏族には彼を越える勇者は存在できないんですね。彼より強いフマクトの戦士がいたんですが、ずっと影が薄かったです。なんだかんだで氏族のために働くわけで、セッションのたびに〈村一番の勇者〉の能力は上がっていき、結局、彼が話の中心になりました。GMを含めた卓のみんなからすれば、これほど使えた能力はない。

●何が言いたいのかわからなくなってますが、強く作ったキャラが強いのは当たり前で、それは計算どおりです。しかしヒーローウォーズでは計算や予想を越えることが起こって欲しいし、それを狙ったデザインになってると思います。そしてそういう事態を起こすには、PCの能力にも少し遊びがいるらしいんですね。

●ちなみに、未発表のTRPG「ルーンウォーズ」ではPCに弱点にあたる能力があり、これはGMや他のPLに使われてしまうのだそうです。上手いルールだと思います。〈村一番の勇者〉は能力か弱点か。