ルナー帝国のカルト:センセーラ

Epikt2007-10-20

●実際のゲームで役に立ちそうな情報を探す、という当初の目的を見失っておりますが。ILH2のありがた味は、ルナー帝国とオーランス人の両者の考え方を比較して遊べる点にあります。じゃあ性の話はどうよ、ということでルナーの娼妓の神様センセーラ(Senthera)を。

●娼妓と書いてますが、原語は Courtesan です。 court と入っているとおり、もっぱら貴族のコンパニオンをつとめる高級娼婦で、教養と洗練が要求されます。森薫センセイが描くところの裏社交界が近いんでしょうか。もっと上の権力者の世界か。日本語にこれとイコールで結べる職種は無いんじゃないかな。下級の方はユーレーリアの受け持ちなのか。まあ、挿絵のイメージだとこんなんなんですけど。ひょっとしてルナー人にとって女性のスキンヘッドは有りなのか?

●センセーラはルナーでは悪名高い娼妓で、三流貴族の愛人から始めて、赤の皇帝の愛妾にまで登りつめました。登りつめたとたん、昔の愛人たちに派手な復讐をしたりしてなかなか面白い人なんですが、以前 Vampire.S さんがコメントされたように、こういう個性的な英雄もルナーの枠内に取り込まれてしまうんですね。セデーニヤの愛に目覚めて、ルナーの娼妓の女神になってしまいました。

●センセーラがユニークなのは、ヒーロークエストで元祖誘惑の女神ホン・イール(踊り子”ホン・イール(HonEel the Dancer))から技を盗んでいるところです。神技の一部だけでなく奥義《神聖な誘惑(Divine Seduction)》もホン・イールと同じです。二人のちがいはホン・イールが自分の個性として持っているものがセンセーラには無く、センセーラが娼妓の技術に専門化していることだと思います(センセーラのカルトは娼妓であれば男性、女性問わず受け入れてます)。

●二人のちがいを見てみると、
・ホン・イールは〈優雅(Graceful)〉です。
・センセーラは〈マッサージ〉ができます。
・ホン・イールは共感(Empathic)してくれます。
・センセーラは魅惑的(Sedective)です。
そして両者ともコケティッシュ(Coquettish)です。

●神技に関してはやはり元祖のホン・イールの方が素朴で、センセーラにはプロの技があります。というより、ホン・イールは誘惑することが中心なのに対して、センセーラはそれ以後も職分なんですね。

  • センセーラの素敵神力《愛を交わす(Make Love)》
    • 《奮起させる?(Arousal)》《性愛の眠りの清澄?(Erotocomatose Lucidity)》《官能のオイルをつくる(Make Sensual Oils)》《エクスタシーを長引かせる》

そしてもう1つ《恍惚の踊り(Entrancing Dance)》の神力も提供。

●で、ちょっと面白かったのが、二人の護符のちがいです。ホン・イールのお守りがメーキャップ(白粉や頬紅、アイシャドウなど)であるのに対して、センセーラのお守りは Erotic jewelry でした。声に出して読みたい英語ですね。

「エロティック・ジュエリー」