ヒョルト人の復活の神力

Epikt2007-10-09

●では逆に、死んだ人間を復活させる神力はどんなものがあるか、という話。「STORM TRIBE」によると、嵐の神殿の魔法で死んだ人間を復活させられるのは次の3つでした。チャラーナ・アローイの《他者の復活》、オデイラの《生に帰る眠り》、エンギジの《死から帰る泳ぎ(Swim Back from Death)》で、いずれも奥義であり異界魔術です。死者を復活させるためには異界からその魂を連れ戻す、あるいは本人が異界から戻るのが基本らしいです。その過程はヒーロークエストになりますが、クエストの内容までは書かれていません。

●一番直球なのが、癒しの神チャラーナ・アローイの《他者の復活》です。「ヒーローウォーズ」ではチャラーナの奥義になっていますが、正確にはチャラーナの下位カルト“慈愛の姉妹たち(The Sisters of Mercy)”の奥義です。原語では《Resurrect Other Ritual》なので、儀式ですね。異界へ行って死者の魂を連れかえるヒーロークエストです。これは光持ち帰りし者たちの探索行でチャラーナ・アローイがつとめた部分だそうです(クエストの一部では他のメンバーと別れてチャラーナの単独行動になる)。そういえばチャラーナは死を克服する力を求めている最中に、オーランスたちと合流したのでした。当然、難しいと書かれてます。またこのクエストが失敗すると、たとえ死者の魂が沈黙の宮廷にたどり着く7日目に至っていなくても、その処理を終えた、ことになってあの世に行ってしまうらしいです。この辺がちょっとわからない。

●死者の魂が沈黙の宮廷での裁きを受けた後でも、肉体さえ保存してあればこの奥義は使えるものなんでしょうか。なんとなく駄目な気がします。後の2つ、オデイラとエンギジの奥義は信者自身を復活させるものです。ファイナルファンタジーで言えばリレイズみたいなものか。

●熊のオデイラの《生に帰る眠り》は、オデイラが冬眠で大暗黒をしのいだ神話に基づいています。致命傷を受けたオデイラの信者は、身体の重要なパーツを失うといった大きな肉体の損耗が無ければ復活のチャンスがあります。奥義が上手く働けば、そしてその間(長期に及ぶ場合もある)、死体? が守られていれば、肉体の傷は回復して信者は復活します。変わっているのは死体? が傷を癒している間、魂が異界でヒーロークエストをこなしているという点です。どっちが復活までの期限を決めるんでしょうね? 傷の回復か、ヒーロークエストの結果か。あるいはクエストが傷を癒すためのものなのか。オデイラの神話では、冬眠中のオデイラは光持ち帰りし者たちの探索行の途中のオーランスを助けるのですが、このクエストがそうなのでしょうか。

●河の神エンギジは嵐の神殿では言わばゲストですが、ヒョルト人にも信仰されています。その奥義《死から帰る泳ぎ(Swim Back from Death)》はオデイラの奥義と同じように信者自身を復活させる働きをしますが、その経過がユニークです。致命的な外傷を受けた信者がこの奥義を使うには、死ぬ前に河に入らなければなりません。仲間がいるなら放り込んでもらってもいいんじゃないでしょうか。そうして傷からの血を河の水に流さなければなりません。信者は泳ぐ力で死と戦います。

●オデイラとちがってエンギジには死を克服する神話はないようです。たぶんエンギジ河が海に流れ込み、マガスタの渦から地界へ入り、地界の河から天空に昇り、天空の河からまた地上に落ちる、という循環の性質を持っていることからこの奥義が可能なんじゃないでしょうか。信者(の魂?)は異界でのヒーロークエストを行い、それを上手く乗りきる(泳ぎきる?)ことができれば、次の海の季のエンギジの聖日に、天の河から物質世界に落ちて来ます(おそらくドラゴン・パス東北部の落天湖に)。エンギジ河や落天湖については piroki さんの地理解題を参照のこと。

 http://www12.ocn.ne.jp/~piroki/Glorantha/MNpoints.html

●共通するのは通常の死のプロセスの、沈黙の宮廷に至るまでの道を変えてしまう、ということでしょうか。フマクトには怒られそうですね。ヒーロークエストの特性として、クエストを行っている者が能力や性格的な特徴を失ったり、変えられてしまったりすることがあるので、復活した人間が以前とは多少変わっていても、それで説明がつくのか。