ナンダンとヴィンガ

引き続き、ヒョルト人の男女の話。自分の理解もかねて。


●『ヒーローウォーズ』で基本となる背景がドラゴン・パス地方のヒョルト人とされていたのは、設定が詳細にできているのに加えて、蛮族である彼らが意外に現代人の俺らに近い部分が多かったためだと思います。自由を標榜するだけあって、個人の自由にもわりと寛容ですね、彼ら。もちろん最低限の掟を守ることが条件ですが。

●それでナンダンです。ナンダンは男の体で生まれてきた女のための神です。ナンダンの信者は女の服を着て、アーナールダの下位カルトに入り、もっぱら女のものとされる仕事に従事します。一般的なヒョルト人はナンダンの信者は女の仕事をする男である、という浅い理解にとどまっています。

●逆に戦いや、男のものとされる仕事を望む女はヴィンガの信者になります。戦う女神は他にもいますが、女の戦士として社会に許容されるのはヴィンガが一般的なようです。ヴィンガの信者は髪を赤く染めて、男の服を着た上にスカートをはき、オーランスの下位カルトに入信が許されます(ヴィンガ独自の下位カルトもあります)。ヴィンガは戦う女すべてを内包することになるので、ナンダンより規模が大きくなります。戦に巻き込まれた氏族の女たちが一時的にでもヴィンガに入信することもあります。

●ただし、ヒョルト人は産むことと殺すことを厳しく区分するようで、ヴィンガ信者が子供を産むことを願うなら、アーナールダ信仰に戻らねばならないようです。ヴィンガの下位カルトには生殖能力を一時的に封印するように要求するものもあります。大地の復讐者であるバービスター・ゴアは産むことに未練があるようなら入信も許さないのですが、マーラン・ゴアはどうなんでしょうね。

●ヴィンガは異性との恋愛については自由です。下位カルトによってはダメかもしれませんけども。ナンダンの恋愛については書かれてません(また、ナンダンが戦いを望むならオーランス信仰に戻るのでしょうか? それともヴィンガ?)気になるのは同性愛は認められるのかということですが、どうなんでしょうか。hearth mate なんて言葉があるのですが、これは踏み込んだ意味にとっていいんでしょうか。家族以外の者が同じ家で暮らすことを指すのだと思うのですが。

●同族との結婚は近親相姦として禁忌とされています。同性との恋愛でもやっぱりそうなんでしょうか。それ以前に、同性愛はやはり混沌を呼び込む禁忌なんでしょうか。