(再)13人目の探偵士

Epikt2007-05-10


●昨日書いた山口雅也の『13人目の探偵士』について。実は読んだことがありません。ネットで検索してみたら、ゲームブックをリメイクしたという話もあって、ゲームブックとして書かれたのか、ゲームブック用に書かれたものが普通の小説にリメイクされて出版されたのか、ゲームブックと小説の両方があるのか、よくわかりません。

●俺はこれがゲームになったのをやりました。PS用のソフト「Cat the Ripper - 13人目の探偵士」です。PC版もあったようです。実際のとこ、それまでのテキストアドベンチャーと同じ仕組みで、ポリゴン紙芝居なのが新ハードらしさでした。

●このゲームは山口雅也推理小説キッド・ピストルズのシリーズと同じ世界を背景にしています。この世界はパラレルな英国で、警察の上位に探偵士と呼ばれる特殊な職業があります。彼らは警察に優先して事件を捜査する権限を持っています。推理小説で一般的な探偵と警察の関係をひねってあるわけですね。

キッド・ピストルズは警官ですが、七色に染めたモヒカン刈りのパンク野郎で反体制的で反抗的です。探偵士たちはそれぞれ有名な探偵のパロディで(だと思う)、得意分野を持っています。独自の理論でもって真相を推理するのですが、詰めで間違ってしまうので、パンクのキッド・ピストルズが解決するというパターンです。

キッド・ピストルズは意外に頭が良くインテリだったりするのですが、それではパンクらしくないと尖がって見せます。なんとなく懐かしいタイプのキャラです。

●ゲームでは主人公(プレイヤー)が巻き込まれた事件の捜査を、3人の探偵士の誰に依頼するか選択できました。それぞれの得意分野、というかこだわりがちがうので、同じ事件でも別の方向から見られるという趣向でした。ゲームブックでもここで分岐したようです。

●検索したときにこれは文庫化しないのか、という意見を見たので文庫版は出てないようです。やっぱりゲームブックは売れないのかな。作家も本の値段は同じなのに、手間は数倍となると書く気にならないでしょうね。


[追記] 2007/10/14
古本屋で文庫版の「13人目の探偵士」を見つけました。下図の通りで、3人の探偵士の捜査と結論がパラレルで書かれています。ゲームブックではありませんでした。