ヒョルト人のカルト:インキン

Epikt2009-06-08

●アリンクスと狩猟そして快楽の神インキン(Yinkin, God of Alynxes, Hunting, and Sensuality)のカルトです。日本人には呼びにくい名前です。

●インキンは“山の母”ケロ・フィンと“肉食獣の王”フララー(Fralar, King of the Carnivores)の息子です。彼はケロ・フィンの口笛の洞窟で産まれました。インキンはエスジェネン(Esjenen、スンチェン人にはオランダロ(Orandaro))の原始林を忍び歩き、あらゆる動物の後をつけました。インキンは隠れ、走り、姿を変え、誰も彼から逃れることができませんでした。

●多くの女神が美貌のアリンクスを欲しましたが、彼はとても熱く、ただ一人の女神しか彼と寝ることができませんでした。ある日ユールマルがインキンにチクマハッカを食べさせると、彼は深い眠りに落ちました。ユールマルは邪悪な犬たちを眠っている彼のところへ連れて来て、犬たちがインキンの熱を盗むのを手伝いました。そのせいでインキンは普通の熱しかもたなくなりましたが、彼は気にしませんでした。おかげでもっと多くの女神たちに近づけるようになったからです。インキンは様々な女神たちを誘惑し、愛しました。彼が去った後、彼女たちそれぞれが様々な子を生みました。女神たちみんながインキンを待ち望み、愛する雄猫がやってくると喜びました。

●神々の戦において、インキンは彼の本質と親族のどちらかを選ばなければなりませんでした。蛇獣連合(Serpentbeast Brotherhood)がインキンに仲間に加わるか、あるいは死か、決断を迫ったからです。オーランスはインキンを守るためにオランダロの森を一掃し、その見返りには兄弟の務めしか求めませんでした。蛇獣連合は再びインキンを捕らえて、彼が父親である大いなる獣の精霊フララーだけに従うことを要求しました。インキンは兄弟への忠誠をひるがえそうとはせず、オーランスが再び彼を解放しました。そのときインキンは精霊ではなく神であることを決めたのです。蛇獣連合はスンチェン人を集め、神の動物たちを連れ去るべく再び侵入しました。インキンは連合を討ち破り、神界の多くの動物たちを助けました。

●インキンとオーランスには伝説的な兄弟の絆があります。インキンがまだ子猫だったころ、オーランスが偶然、洞穴から彼を吹き飛ばしたので、インキンは下の岩場に落ちて行きました。兄弟ならば当然のように、オーランスは彼を救いました(単にオーランスが悪いのでは?)。1人と1匹は何度も一緒に旅をし、ときどきは同じ女神の愛情を競いました。ウロックスがインキンをいじめた時、オーランスはつなぎ縄と杖で音高く雄牛を打ちました。インキンも何度か兄弟を救いました。彼らは神々の戦の間、共に働きました。オーランスが追放されて去った時もインキンは彼についていき、待ち伏せしていた目に見えぬ敵の匂いを嗅ぎつけて彼を救いました。

オーランスが去った後の世界で、インキンは荒野を歩き回り、迷子の人間を助け、怪物たちを餌食にしました。彼は人々に狩りを教え、子供たち(アリンクス)が人間を助けるようにしました。雪が深くなるとともに状況は厳しくなり、インキンは雪の洞穴の中で眠りました。世界は冷え続け、インキンが狩りに出かける回数もだんだん減っていきました。

●インキンはますます弱りながら、この死者の国をさまよいました。なぜならそこには狩るべき動物がいなかったからです。彼は偶然、凍りづけの男に出くわしました。インキンは冷えた男の死体を食べる代わりに、溶けるまでなめました。彼はそれが兄弟のオーランスであることを知って大いに喜びました。オーランスは持っていた最後の食糧をインキンに与えると、光持ち帰りし者たちの探索に戻りました。食糧はインキンを力づけ、彼はアラクニー・ソラーラが大いなる盟約の網を投げたときそれに加わることができました。インキンはオーランスと一緒に再生した世界へと凱旋し、今は嵐の部族が知るあらゆる土地で崇拝されています。