迷宮キングダムのシナリオ

Epikt2009-02-16

●先日、迷宮キングダムGMをやったのでそのときのシナリオをあげておきます。迷キンはPLしかしない、という人は見ない方がいいかもしれません。


※新版の方です。念のため。
※PCはレベル2、PLは5人でした。モンスターもトラップも少し弱めだと思います。
※実際使った固有名詞そのままで書いてあります。


シナリオタイトル:「チョコレート・トレイン」

●PCたちの王国にメトロ汗国のマッピング氏族からの使者が訪れます。使者はスペアリブといい、マッピング氏族の列車が王国の近くに来ており、今年の聖バレンタインの儀式でメルカトル汗(氏族長)にチョコレートを贈る大役に、王国の国王(国王が男ならランドメーカーの中の女性、全員が男なら民のNPCの女性)が選ばれたと告げます。スペアリブはメトロの獣騎兵の一隊を連れてきており、断ると難しいことになりそうです。また、メルカトル汗はチョコレートのお返しもするだろうと約束します。チョコレートは彼らが用意しているので、宮廷一行は準備を整えて列車まで行くだけでかまいません。
シナリオの目的:「メルカトル汗にチョコレートを渡せ」

※ダンジョンは最初の部屋の「お祭り広場」、列車内の「最後尾(倉庫)」「調理室」「食堂車」「二等客車」「一等客車」「動力室」「公主室」の8部屋で、ルートは一本道でした。

■お祭り広場
宮廷の一行が指定された場所まで行くと、そこではマッピング氏族の人々がお祭り騒ぎをしています。彼らは口々に「思ってたより可愛い」「御付きの連中は弱そうだ」「何両目まで行けるか賭けようぜ」などと盛り上がっています。ここには特に仕掛けはありません。

■最後尾(倉庫)
ここには一行にチョコレートを渡す侍女が待機しています。
モンスター:「食糧泥棒」 大喰らい×1、赤頭巾×2、小鬼×6

チュートリアルをかねてモンスターを出したのですが、これは余計でした。4時間程度のプレイ時間では戦闘は3回あたりでいいようです。
トラップ:「もったいないお化け」 アイテム欄に空きをつくるために回復アイテムを捨てると発動します。もちろん、GMの強権でチョコレートだけは捨てさせないでください。

※PLがどうしても「弁当」を欲しがるようなら、侍女と交渉して1個2MGで売ってもらえることにしてもかまいません。支払いは今回の冒険の支出に計上されます。

■調理室
ここにはメルカトル汗の第三夫人パンジーが待っています。彼女は丸々と太った中年です。彼女のおもてなし料理が一行に襲い掛かります。
モンスター:「おもてなし料理」 鉄砲魚×1、マヨネーズキング×1、腐ったたまご×3
※戦闘が多くて時間内に終わらないと思ったので、PLにぶっちゃけてここの戦闘は省略しました。
トラップ:「お菓子の家」 美味しそうな料理が並んでいるので、油断すると食べすぎてしまいます。
パンジーは素直に負けを認めます。彼女との会話から次のことがわかります。
・バレンタインデーの儀式は女性が汗に求婚する儀式です。現在の汗の妻(たち)はこの挑戦者に試練を課すことができます。試練を突破して汗にチョコレートを渡すことができた女性は汗の妻となります。この場合、チョコを渡したPCは第四夫人となって列車で暮らすことになります。
パンジーは宮廷一行が事情を知らないままチョコレートを持って行こうとしていることに驚きます。

■食堂車
綺麗に飾り付けられた食堂車で、天井にはシャンデリアが並んでいます。
トラップ:「吊り天井」 シャンデリアが落ちてきます(その後、巻き戻されて上がって行きます)。

□通路
トラップ:「落とし穴(1)」 列車の連結部に油がまかれています。

■二等客車
ぬいぐるみや可愛いもの、華奢な家具、宝石箱や衣装ダンスが並んだ乙女チックな部屋です。壁の真ん中には礼服の少年の肖像画が飾ってあります。部屋の中には目をいからせた少女、第二夫人タンポポが待っています。彼女は汗に求婚しようという思い上がりをなじり、モンスターをけしかけます。
モンスター:「ヨイトマケ」 ドモヴォーイ×1、黒ドワーフ×1、ドワーフ×3

Bloggerからお借りしました。
モンスターが負けるとタンポポは泣きそうになります。彼女はメルカトル汗が好きなのです。食堂車の方からデイジーがやってきてタンポポをなぐさめ、連れて行きます。
トラップ:「びっくり箱」 部屋の中の家具に仕掛けられています。解除できれば、一般回復アイテムからランダムで1つが手に入ります。

■一等客車
豪華な内装の客車です。
トラップ:「ホテル」 うっかり休憩すれば、カーテンの陰から初老の執事があらわれてチェックインさせられてしまいます。

□通路
トラップ:「スリットアロー」 連結部を通ろうとすると外から矢が射かけられます。

■動力室
中央には列車の動力源と見られるガラス状の球体が置かれています。その後ろから第一夫人サルビアとスペアリブがあらわれます。サルビアは冷たい印象の美人で、スペアリブが彼女に心酔しているのはあきらかです。サルビアは宮廷一行がここまで来たことを褒め、第四夫人となり、サルビアの同盟者として協力すると誓うなら、ここは黙って通してあげようと提案します。サルビアの願いは現在の氏族の支配者であるモルワイデ公主(メルカトル汗の姉)を追い落とすことです。拒絶すればスペアリブに一行を始末させようとします。
モンスター:「メトロの獣騎兵」 メトロの獣騎兵×1、ノコギリ猪×1、ウマトカゲ×1、人間の屑×3

トラップ:PC側本陣に「封印」
※ボス戦です。マップの支配者はスペアリブ(メトロの獣騎兵)になります。
モンスターが倒されればサルビアは青ざめますが、何もしてこようとはしません。

■公主室
汗の席には青年のメルカトル汗が座り、その横にモルワイデ公主が立っています。モルワイデは一行が儀式の試練を突破したことをたたえ、つとめを果たすようにうながします。メルカトル汗にチョコレートを渡すと、モルワイデが「それは本命チョコか? それとも義理チョコか?」とたずねます。本命と答えれば、メルカトル汗は儀式の掟にしたがい、渡した女性を妻にしなければなりません。この場合、渡したPCは列車にとどまり、王国には戻れません。義理であれば彼は面子を傷つけられますが、試練を突破した女性やその身内に報復することは許されません。一行がどちらの結果を選んだにせよ、メルカトル汗はお礼を約束します。

●ダンジョンパートはこれで終わりです。もしサルビアの提案をのんで戦闘を回避し、さらにメルカトル汗の妻になることも避けてサルビアを騙したことになっていれば、帰国の途上でサルビアに報復を命じられたスペアリブの部隊に襲われます。

●エピローグで、1ヶ月後にマッピング氏族の奴隷たちが貨物車を1台運んできます。メルカトル汗からのチョコレートの返礼で、貨物車は施設の「記念館」として使えます。また運んできた奴隷も贈り物なので、2d6人の《民》となります。

●背景にあるのはモルワイデ公主の追い落としを狙う第一夫人サルビアの陰謀です。第三夫人、第二夫人との会話からそれがわかるようにしてください。そうしないと何だかわからないうちに終わってしまうと思われます。チョコレートを渡していいのかPLが悩むようならシナリオ成功です。