Earl Geier

●昨日の話の続きです。クトゥルフモンスターはだいたいが小説から生まれているので、その外観や構造は言葉で説明されてます。イラスト化するときはそれを踏まえて描かれます。しかしルールブックのモンスター解説のページの中で1ヶ所、イラストレーターが自由に描ける項目があります。アザトースのまわりで愚かしく踊ると言われる「下級の異形の神たち」がそうです。

●下級の異形の神たちはその他大勢の扱いを受ける神々で、能力も形状もでたらめです。決まったルールは(生物としてのルールも)ありません。なのでこの項目にイラストをつけるときは制約はありません。逆に異形の神に見える存在を自由に描く、というのは難しい仕事かもしれません。

●93年の「クトゥルフの呼び声(改訂版)」の下級の異形の神はこいつです。




素晴らしいと思います。INT(知性)0な感じがよく出てます。いろいろ怖いので小さくしましたが、わかりますでしょうか。イラストレーターは Earl Geier という方だそうです。

●2004年に eb! から再販された新版のルールではあちこちイラストが差し替えられていて、下級の異形の神たちのイラストも差し替えられてます。新・下級の異形の神はこいつ。




個人的には残念です。怖さの質がちがうのですね。INT0の厭さ、ではなくて、こいつ強そう、になってしまった。新版はなぜ差し替えたのかなぁ、と思う箇所がいくつかあって、絵の権利関係で替えざるを得なかったのかなと勘ぐってしまうくらい前の方が好きなんですが。

●それで Earl Geier の名前でググってみたら、海外の RPGnet Forums で2007年に仕事を探してたりしてうひゃあと思ったりしたのですが(バトルテックアースドーンシャドウランでも描いたらしい)、ご本人の絵が見られる場所がありました。
Earl Geier's Library | Photobucket
左の Albums から Call of Cthulhu art のイラストも見られます。見覚えのある絵もあるんじゃないでしょうか。すげぇ! んだけど、仕事は選ぶ画風かな。