ヒョルト人のカルト:マスターコス

Epikt2008-12-12

●1619年、ホワイトウォールにたてこもって抵抗するオーランス人の反乱軍がクリムゾンバットを撃退したときに、移動の力でバットの背中に飛び移って操縦者を倒したのではないか、という話がありました。そんなことができそうなのは冒険者オーランスの下位カルト、移動するものマスターコス(Mastakos Mover)のカルトです。もっとも反乱軍のブライアン王には変化の神ラーンステイの教団がつき従っているので、彼らが何かした可能性もあります。

●マスターコスは移動の神でオーランスの御者とされ、移動の力の源です。ヒョルトという比較的素朴な文化の神なのに純粋な移動の力という抽象概念を体現しています。提供する神力は《西遊移動(Westfaring Movement)》で、光持ち帰りし者たちの探索でオーランスを西に運んだ神話に由来すると思われます。その中の《仲間を運ぶ》《視界内への瞬間の旅[D+20]》を使えば、見えているバットの背中に移動することができそうです。バットや教団員に直接魔法を使うわけではないので、バットの《魔力吸収》も避けられる…かな。移動してから至近距離で聞くバットの《混沌の叫び》に耐えられるのかって問題もありますが。マスターコスには他に《止まれという嘆願を無視する(Ignore Pleas to Stop)》神技もあったり。

●マスターコスのカルトではダンス、ステップ、リープ(跳躍)といった言葉がキーワードのようです。「グローランサ年代記」には“マスターコス西へ行く”の神話が載っており、そこでマスターコス自身が8歩で西の果てにある島に着く術について語っています。1歩跳躍するごとにワープするんですね。マスターコスの信者は実は男性バレエダンサーのような伊達者がそろっていて、軽やかな跳躍を見せてくれるのかもしれません。跳ぶとワープして消えてしまうわけですが。