獣の民

●物理的に人間と動物が混ざっている種族が獣人です。獣人は非人間である古の種族に含められます。「グローランサ年代記」に“獣の民”としてあげられているのは馬の民セントール(ケンタウロス)、アヒルの民ドゥルズ(ダック)、鹿の民サテュロス、狐女の民エラルエ、牛の民ミノタウロスです。一応ハーピーも獣人に分類されるようですが、他の獣人との関係が険悪で一緒に暮らしてはいません。

●「〜年代記」ではセントールの“鉄の蹄”王の伝説を中心に、獣人についても触れられています。ドラゴン・キルが起こった後のドラゴン・パスは人間不在の土地となり、非人間種族が栄えました。鉄の蹄が野の姫に惚れこんでオデイラに相談に行くくだりが面白いです。オデイラは野の姫の息子ですが、この時点では父親のオーランスオーランスを信仰するヒョルト人)はドラゴン・パスにはいませんし。

●「〜年代記」によれば、セントールは(おそらく)神知者の実験によって創造されました。他の獣人もそうかもしれません。ということは多くの種が生まれたという緑の時代の自然の産物ではないんですね。

●またここにグレイズランド人(グレイザー、草飼う民)がからんできます。グレイズランド人は騎馬遊牧民です。「〜年代記」では彼らの起源は、鉄の蹄が一部のセントールを馬と人に分けたことから始まったと説明されています。「ヒーローウォーズ」のグレイズランド人の説明では、彼らはワームの友邦帝国に協力していた民族で、プラックスの騎獣民族に敗れた後、ドラゴン・パスに逃げ込んで鉄の蹄にかくまわれたことになっています。どちらにしろドラゴン・パスにヒョルト人が入植する前に、グレイズランド人の先祖がいたことがあるようです。

●グレイズランド人の伝承には馬の母アランダイラ(Arandayla)という大精霊がいるので、ヒョルト人の馬の女神レダルダ(Redalda)と関係あったりするんでしょうか。

●騎馬遊牧民の女性と、ヒョルト人のレダルダ信者の女性と、セントールの女性と、馬のスンチェン人の女性が一堂に会すると、どんな会話が交わされるんでしょうね。