ルナー帝国のカルト:ダンファイヴ・ザーロン

Epikt2008-01-14

●ルナー人PC作成のためにルナー帝国のカルトを見てるんですが、“冒険者PC”にふさわしい神様ってのは難しいですね。みんな基本的に社会の中での役割が決まってます。ヒョルト人のカルト、冒険者オーランスがいかに冒険者向けだったかと今さら思い知る。

●“悔悛者”ダンファイヴ・ザーロン(Danfive Xaron)はルナー帝国の七母神の1柱でありながら、邦訳「ヒーローウォーズ」では紹介されなかったカルトです。紹介されたのはイリピー・オントール、ジャーカリール、ディーゾーラ、ヤーナファル・ターニルズの4柱でした。

●かなり特殊なカルトで、紹介されなかったのはそのせいだと思います。説明に時間がかかる。犯罪を犯した(もしくは自分で犯したと思った)人間が自主的に入るカルトです。このカルトに入ってる間は一応の市民権が与えられ、官憲からも保護されます。捕まってから放り込まれるカルトではないそうです。

●カルトに入った人間は焼印を押され、刑務所(監獄?) に入り、厳しい労働に従事します。多くの決まりと罰則があり、場合によってはカルトから追放され、官憲の手に戻されます。またそれぞれの罪に応じた制約も科せられます。

●さらに「奴隷連隊」の一員として戦場に送られ、軍隊の補助活動も行います。穴掘りや荷物の運搬だけでなく、囮などにも使われます。面白いのはこのカルトで5年生き延びた者の中から、さらに志願者を募って編成される「鎖縛隊(The Chained)」です。武器は与えられますが、囚人たちはすべて互いに鎖でつながれた状態で戦場に出ます。逃亡不可能ですね。死ぬ気で戦うしかありません。

●鎖縛隊のさらに上位部隊として「破滅中隊(Lost Company)」があります。これは鎖縛隊で実力を証明し、罪をつぐない終えて、なおカルトに残ることを選んだ信者から構成されています。ダンファイヴ・ザーロンはもちろん戦闘の魔術などは与えてくれませんから(提供される神力は《耐える(Endure)》と《悔悛(Penance)》の2つ)、この破滅中隊のメンバーは実力で強いわけですね。はてなの解説では中隊は200人くらいだそうですが、そんなに実力者がいるものなんでしょうか。

●では、贖罪はどのように果たされるかというと、ダンファイヴ・ザーロンの奥義《贖罪(Atonement)》で成されます。この奥義で己の罪と戦って勝利すれば、信者はセデーニヤによって赦免されます。焼印を含めた罪の痕跡は消滅し、カルトを離れて普通の市民として生きることができるようになります。なお、このときの罪の抵抗値は殺人よりも、脱税の方が大きい。さすがルナー帝国。

●というわけで、どう考えてもPC向けではありませんが、奴隷連隊にいたことがある、なんて渋い設定には使えるかもしれません。自慢にはなりませんけども。