The Sky Ship その2

Epikt2007-10-04

●ヒーロークエストというのはつまるところ異界に行っての冒険なんですが、グローランサの異界は神話などに影響されています(あるいは影響している?)。なので、かなり面白いものが見られます。

●船で天空の河を航行していると巨大な河馬に襲われる場面があります。俺はかなりしつこくこれを気に入っています。船と同じ大きさの河馬が、背中に河馬の頭をした太っちょの軍隊を乗せて水面に浮上してくるんですな。わけわかんねぇ(笑) ただこれもどこかの民族の神話が原型になっている筈なんです。その民族はもういなくなってるかもしれませんが。異界には異界のルールがあって、でたらめにそうなっているわけではないのだそうです。

●船底の船倉にはたくさんの動物たちと、その面倒を見てる豚の頭をした婦人が乗ってます。ご婦人は農民風の服を着ていて、慎み深い性質なので探さなければそのお腹の一列にならんだ乳首は現れません、と書いてある。なんだこれ。

●この船はダラ・ハッパの神話では Anaxial's Ark だよ、という説明があります。アナクシアル帝はダラ・ハッパの皇帝の1人で、地球で言う箱舟神話のようなことをなさいました。だとすれば、動物がたくさん載せられているのは当然です。しかもその中には後の時代のグローランサでは滅びている動物もいるのです。

(ところで、ヒーロークエストの途中でこの船から絶滅種を持ち帰れば、現実世界で再び繁殖させることはできるんでしょうか。いや、これだとタイムパラドックスが発生するのか? 持ち出したところで、原型は異界に残るのかな)

●だったら、動物の世話係が乗ってても当たり前ですが、なぜ豚の頭なんでしょうか。例のダラ・ハッパの神々の碑に VERGENARI という豚の女神が刻まれており、豚頭で複乳の像なんですが、関係あるのかな。ちなみに mallion さんがコメントされたルカリウス帝はアナクシアル帝の子供で箱舟の中で生れました。後に神弓の神としても崇拝されたので、船の甲板をうろつく弓兵が本人だとしても不思議ではありませんね。

●他にもこの船の操舵手があの水夫ドーマル本人だったりするのです。しかしこれだけおもしろい要素がたくさんあるのに、キャラクター(というかプレイヤーか)にはほとんど関係ないというのがつまらない。だいたいのイベントは自動で進んでしまうし、おもしろそうなキャラクターは相手にしてくれません(まあ喧嘩なりをふっかけても一蹴される力の差がありますが)。それどころかほとんどの事件や人物は、それが何だか判別できないのです。これは向こうが悪いというというよりは、キャラクター側に彼らに対する理解がないからそうなるのですが(異民族の神話の知識がない)。おもしろそうなものをちらつかされるだけのシナリオだと、俺なら欲求不満になりますね。