トーテム

●で、このワイターはこれも昔のTRPGですが「WEREWOLF:THE APOCALYPSE」（「Vampire」のシリーズ）に出てくる、“トーテム”に似てます。ワーウルフたちはパック（群れ）を組むのですが、このときトーテム（精霊）の庇護を願うことができます。もちろんゲーム上で利点があります。

●メンバーと一緒に成長する感じのワイターとはちがって、トーテムはPCたちよりはるかに強力です。トーテムはパックに化身を遣わして加護を与える代わりに、メンバーに戒律（制約）を課します。この戒律を破るともう庇護を受けることはできません。それどころか罰を与えられます。トーテムに見放されることはワーウルフにとって不名誉なことなので、一族の中での地位も失うかもしれません。このためトーテムの性格がパーティの方向性に強い影響を与えます。

●例えばハヤブサは、ワーウルフたちの中でも貴族的な立場をとるシルバーファング族のトーテムです。PCのパックがハヤブサの庇護を受けると、加護として〈指揮〉＋３、４点の〈意志力〉プールのボーナスに加えて、パックのメンバーは〈高潔〉２点を獲得します。同時に、戒律として不名誉な行ない（ゲーム的には〈高潔〉原点を失う）を禁じられます。トーテムには他にも様々なものがいて、好みや都合で選ぶことができます。

●「WEREWOLF」もあまり定着しませんでしたが、あらゆるものが精霊であるという世界はとても魅力的でした。その点では日本人に馴染みやすいと思うのですが、一方でかなりハードでもあります。滅びを迎えようとする地球で、絶望的な戦いを強いられるからです。その中でしかも名誉を失わないロールプレイを要求されるのですね。