指輪物語とTRPG

TRPG族は諸部族から成り立っており、俺は活字部族に属してます。一応、古典ファンタジー氏族ですが、それほど読んでいるとはいえません。この氏族の神話では「指輪物語」を読んだ人々が、中つ国に移動するためにTRPGを開発したことになってます。もちろん他の氏族が何を信じてようと勝手です。

●それで実際のところを調べてみると、かのガイキャックスがD&Dを創造したのが1974年だそうです(指輪物語の初版は1954年)。直接の親はボードゲームのウォーゲームですが、背景世界が指輪物語の影響を受けているのだとか。いわゆる中世ヨーロッパ風ファンタジーですね。

●さらに1981年、アメリカでコンピューターゲームウィザードリィ」が誕生しました。これは指輪物語の影響を受けたD&Dの影響を受けた、ことになってます。ただ他の要素(モンティパイソンなどのジョークも)がふんだんに盛り込まれました。

●で、肝心の「指輪物語RPG」は1983年と遅かったようです。 MERP(Middle Earth Role Playing)の略記の方が親しまれているでしょうか。このゲームによってTRPG族は中つ国を訪れることができるようになりました。ところが、私も風聞でしか知りませんが、中つ国は弱肉強食の暗黒世界であり、本編の旅の仲間たちはみんなかなり強いキャラだったことが明らかになりました。普通のキャラでは死ぬそうです。悪名高いクリティカル表の噂も聞きました。
http://www.h3.dion.ne.jp/~jtpage/exclaim2/rpg/used/merp.htm
もちろんTRPG族は満足して笑顔で死んでいったでしょうが(笑)

HeroQuest で「指輪物語」をやってみるのかその2

Epikt2008-06-27

指輪物語のネタバレがあるので注意。

指輪物語コンピューターゲームだろうとTRPGだろうとゲームでは上手く再現されません。俺がやった指輪物語のアクションゲームは最後の滅びの山でフロドがつらぬき丸を振り回し、ゴクリを火口に突き落とすというものでした。最低(笑) 成立してるゲームがあるとすれば、それは元の物語とは関係なく成立してます。

●指輪世界のルールは明確ではありません。死んだガンダルフがなぜ戻って来られたのかというと、ガンダルフは不死(神々)の世界のヴァラールからサウロン打倒の使命を与えられて中つ国に送り込まれたマイアールであり、バルログと戦った後に死んで不死の国に戻ったものの、使命がまだ果たされていないのでヴァラールによって再び送り返されたから、らしいです。そういう背景がわかったとしても、今度はヴァラールの行動基準が何なのかはわかりません。直接介入はしないのにガンダルフを蘇生するのはいいのか。そこがわからないとPCとしてのガンダルフは再現できません。単純にガンダルフは死んだら色が変わって1度だけよみがえる、というルールなら可能ですが。

指輪物語TRPGにするにはその辺を詰めないといけません。このブラックボックスの問題はグローランサにもある欠陥だと思います。デザイナーのグレッグにしかわからない、グレッグにもわからない部分がある。物語としては魅力的ですが、ゲームとしては困る。特にマスターをするときに困ります。なぜこうなるのかというと、キャラクターと世界が密接につながっているからだと思います。キャラクターのために世界があるのか、世界のためにキャラクターがいるのか。指輪物語ではその関係が濃密で、片方だけを切り離して扱うことはできないのではないでしょうか。