オーランス、アーナールダに会うその4

Epikt2009-07-16

●人々の群がオーランスを待っていました。 彼らはオーランスの音楽を好きになり、彼に仕えることにした者たちでした。「私たちはここから出る秘密の道を知っています。そこは宮廷の兵士が絶対に行かない場所です。私たちと行きましょう」

●「そうしたいなら行ってくれ」オーランスは言いました。「でなければ、妻を見つけるために俺と来てくれ」新しい友人たちを引き連れて、オーランスはアーナールダに会うために大股で歩きました。彼女の私室では彼のためにドアは開いていました。「いいぞ、アーナールダ」オーランスは言いました。「俺はおまえがおまえの母の家で笑うのを聞きたい」オーランスは言いました。

●アーナールダはすでに逃げる準備をしていました。ケスタ(Kesta)は食料を集め、ベーリンサ(Berlintha)は衣服を梱包し、マホーメイ(Mahome)は炎に耐えるために粘土をチューブにし、イステナ(Istena)は多くの皮袋を水とワインで満たしました。アルンナ(Arnna)は小さい宝箱、ジェラ(Jera)は治療の道具を持ちました。ベセタ(Beseta)とベサンガ(Besanga)は雌馬に姿を変えて、皆を運び去る準備ができていました。アーナールダの織り機だけは荷造りする必要がありました。「これは他の何よりも持って行かねばなりません」彼女は言いました。

●「俺はおそらくそれを片手で運ぶことができるだろう」オーランスは言いました。「しかしまもなく戦いになるだろうし、運ばないでいる方がいい」彼は新しい仲間たちに向きなおって言いました。「おまえたち、仕えてくれるつもりなら、行って善き女神のためにあれを運んでくれ」

●宮廷の元使用人たちは、全員が織り機のまわりに集まって持ち上げました。彼らの中には多くの強者がいましたが、なんどやっても織り機を持ち上げられませんでした。オーランスはいまや、皇帝の復讐者たちが近づく音を聞くことができました。

●「結局、俺は片手を使うことになるのか」そう言って、オーランスはかがんで大きな織り機を持ち上げました。驚いたことに、彼が持ち上げると織り機はオーランスの荷袋の中に入るくらい小さく縮まりました。

●「私の持ち物は、それが命を創造できるものだとしても、重荷ではありません」アーナールダは言いました。さらに彼女は言い足しました「私との協力では、あなたの両手はあなたのために使うことができます。そしてその手をどう使うかは、あなたが選ぶことです」オーランスはそっと彼女の両手を握り、彼らは目と目で見つめ合いました。

●続いてオーランスは身をひるがえし、主君の仇を討とうとする、怒れる半神半人の群衆に向かって武器を抜きました。オーランスは技量と情熱のちがいを見せつけ、彼らを追い払いました。彼は手に「死」を持っており、足下に死体が転がると、群衆は狂乱して逃げ出しました。オーランスは仲間に加わろうとした者たちとアーナールダ、彼女の使用人、そしてさらに数を増す群衆を引き連れ、正面玄関を通って宮廷から出て行きました。

オーランスはアーナールダの姉妹たちが暮らす家まで彼女を送り、それから旅立つ準備しました。彼は彼女の手を取って、さよならを言いました。アーナールダはオーランスが手を放そうとしたとき、彼の手を放しませんでした。

●「中に入って、私の笑いを分かち合ってください」オーランスはしばらくの間、それほど長くなく滞在しました。アーナールダは彼の傷を手当てし、オーランスは彼女の髪にブラシをかけました。彼らの両方が笑いました。そうして2人の求愛(courting)は始まりました。

●ヒョルト人文化特有と思われる男女の手の握り方が出てくるのですが、よくわからないので割愛しました。
“That is when Orlanth took both her hands gently, not in the formal manner by the wrists, but instead holding in what we call the two grip, that's used in flirting.”
“She did not let go of his hands when he sought to, but held lightly as if with a question, so he too held on a moment more. That is called the four grip. She spoke. ”

●ミッキーとマロリーかよってくらい派手な出会いです。これでも求愛が始まった段階で、結婚までにはまだ時間がかかります。