天体としてのウーマス

Epikt2009-01-05

●昨日、 zeb さんのところを見てて気がついたんですが、ウーマスの天体としての側面をまったく見落としてました。ウーマスを嵐の神として説明するオーランス人の神話ではわかりにくかった部分が、それでわかるようになりました。 zeb さんのところからあちこち抜粋して、「Thunder Rebels」のウーマスの神話と並べてみます。枠内が「illuminate33の日記」からの引用です(引用箇所と順番は滅茶苦茶です)。
天空の崩壊1 - illuminate33の日記
天空の崩壊2 - illuminate33の日記

1)まず始まりは「天蓋の中心」(注1)の中天、太陽のまばゆく輝く天体がありました。いわゆる黄金の時代です。この時代、夜はなく、天の光が消えることはありませんでした。

ダラ・ハッパ人はこの天体をイェルムと呼びます。空は黄金色に輝いていました。

2)太陽から十個の天体が分離し、東西南北、北西・南西・北東・南東、極西・極東に広がりました。(注2)この中でルナーの教えで、現在まで生き残っているとされる天体はシャーガーシュのみです。
(中略)
3)ウーマトゥム(Umatum)が天蓋のひび、「陥穽」から現れました。この天体は(私の考えですが)おそらく現在の「オーランスの輪」に似た天体の集合であったと思われます。

●彼(ウーマス)は自分の歯を一つ抜き、それをナイフにして自分自身を切り離して自由になった。彼が出て来た場所を嵐の門(Stormgate)と言う。それはオレンジ色の場所だ。土の日、そして風の日の夜におまえも見ることができるだろう。それはいつも空の同じ場所にあって動くことがない。

●彼の到来は思いがけないものだったので、彼のための部屋はなかった。すべての場所は、太陽の帝国の神とその従者に占められていた。

(注4)ウーマトゥムは螺旋を描いて天の中心に迫ります。

●彼は世界のふちで生まれ、その道にあるものを傷つけ、ゆっくりと中心に向かって螺旋を描いた。動かないものに慣れていた(イェルムの)使者はまったく追いつくことができなかった。

4)ウーマトゥムの動きに引きずられて、十人のイェルムの子らはある者は地上に墜落し、またある者は惑い星の動きをするようになりました。

●ウーマスは彼と同じように存在する他のものに気づいた。彼らに会うために、ウーマスは友好的な訪問を容認するための最初のもてなしの儀式を創造した。彼は何柱かの女神とこの方法で結ばれ、子供たちが生まれると彼の旅に加わった。ウーマスのもてなしの儀式はイェルムの法に従う天空の神の訪問によって破られた。これはいつも暴力をもたらし、ときどきは死んだ神の体がまっさかさまに大地に転がり落ちて、新しい峰々と丘陵を創った。

5)シャーガーシュ(ジャクレクリンド)とウーマトゥムは何度も衝突し、ウーマトゥムはしまいには極北で大地に墜落します。このときから天蓋は南北に揺れ動くようになりました。

●赤い神と呼ばれるジャグレクリアンド(オーランス人はシャーガシュをそう呼ぶ)は天空の領域の守護の長だった。彼は天空をわたってウーマスを追い、何度も彼と戦った。「高門?(Highgate)」で彼らは向き合った。ウーマスはひどく傷ついていて、螺旋を描いて逃げた。ウーマスは白い神ゼンフェル(Zenfel)に保護を求めたが、その神は自らの友好の誓いをやぶり、秘密のうちにジャグレクリアンドと「メリミオスの癒しの浴槽(healing baths of Melimios)」に入っているウーマスを襲う計画を立てた。オーランスはそのときまだ少年だったが、陰謀を立ち聞きして父に告げた。ウーマスと彼の男どもは赤い神が来る前に、白い神の宮殿と国と民を破壊した。彼は逃れた生存者を追撃させるために息子たちを送り出した。

●ジャグレクリアンドが到来して、ただ一人でいた、しかもいくつもの大戦で傷ついていたウーマスを攻撃した。赤い神は傲慢な者を破壊するために黒へと色を変えたが、ウーマスは激しく戦い、彼らの周囲すべての土地が破壊された。ウーマスの体は世界の風の中に霧散し、ジャグレクリアンドはばらばらに砕かれた。

ウーマトゥム(ウーマス)の子らはケニリアの海から父親の武器を持って散っていきます。

※異界である嵐の部族の時代の「白海(White Sea)」には、ウーマスが墜落したときにできたクレーターがある。

●こうしてウーマスの息子たちの時代に移って行きます。ウーマスは母なる大地から生まれたと思ってたので、天蓋から降って沸いたとは意外でした。これだとウーマスが中空を創ったという神話はおかしくなりますね。最初から中空はあったわけだ。ウーマスがなぜ多くの傷を蓄積して死んだのかも、実際にウーマスとされた天体がそのようであった、ということですね。