ヒョルト人の職業:芸人

●芸人(Entertainer)はスカルドが上位の芸人(High Entertainer)であるのに対して、下位の芸人(Low Entertainer)とされています。イメージは以前スコヴァラとスコヴァリの項目で書いたように、大道芸人です。具体的な大道芸もそのとき書きました。
音楽の神のカルト:スコヴァラとスコヴァリ - そっちはそっちの気晴らし、こっちはこっちの気晴らし

●彼らはたいていは街で暮らしています。その方が新しい客をつかまえることができ、食い扶持を稼ぐことができるからです。サーター王が到来してヒョルト人に街の概念を教えるまで芸人たちがどうやって暮らしていたのかは謎です。各トゥーラ(集落)で共同体から養われていたのでしょうか。

●芸人たちは一座を組むことがあります。旅の一座となって芸を披露しながら各地を巡ります。ヒョルト人のトゥーラも訪れるでしょうし、ヒョルト人文化の外へも出かけます。その辺は音楽の高神ドナンダーの得意とするところです。またドナンダーの徒にとって、放浪への憧れは抑えがたいものでもあります。どこに行ってもよそものですが、楽しみを与えてくれる彼らを積極的に排除する文化もありません(ルナー帝国によってオーランスの力を奪われた戦士が逃げ込む場所として、この一座はありかもしれません。ただしお荷物にならないように)。

●おもしろいことにドナンダーに属する信者たちは死んだ後、異界でドナンダーの旅の一座にくわわります。幌馬車に乗ってかバンドワゴンだかしりませんが、芸人たちは陽気に騒ぎながら各神殿から神殿へ巡業してまわります。ドナンダーはどの神殿にも属さず、神殿を超越する神なので、彼の一座はどの神殿の異界に行っても不利な修正を受けません。移動する異界を持つ神はわりと見かけるのですが、異なる神殿から神殿まで移動してしまう異界を持つ神は珍しいのではないでしょうか。