おまえさん、その他
●あけましておめでとうございます。
●正月は実家に帰ってるんですが、ネットもテレビもない部屋でぼーっとしてることになるので本を買って行くのが習慣になってます。で、せっかくの年末年始だから普段さけてるような本を読もうと思ってしまい、苦手な方向に手を出してしまうのですが、今年は『レナードの朝』『ちひろさん』『人間仮免許』『おまえさん』でした。
●『レナードの朝』はもう古典なのかな。みっちり濃くて疲れました。高校時代の文化祭でアルジャーノンの演劇をやったのを思い出した。大道具でした。
●『ちひろさん』は漫画家の松田洋子が2016年のベスト、とツイートしてたので買い。元風俗嬢で今は弁当屋で働いてるちひろさんの話でやっぱり怖かった。風俗嬢時代の『ちひろ』という漫画もあるそうで、そっちはさらに生々しいのでしょうか。
●『人間仮免許』は店頭で見て買い。内容もすさまじいのですが、絵が痛々しかった。なんか壊れてる感じがした。素人が言うことですが。
●『おまえさん』これだけ時代小説。家に帰って本棚にあった『ぼんくら』を読んだら面白くて、そして途中で「あ、これ読んだことあるわ」と思い出すという器用なことをしたのですが、シリーズの最新作で『おまえさん』が出てると知って本屋に直行しました。んで、今回一番泣かされたのがこの本。容姿にコンプレックスのある男が読むとかなり刺さる。刺さった。一気に読んだ。
雑誌連載だったらしく、最終章だけ書きおろしだそうですが、これ連載追ってた人、じらされてたまらんかったろうな。それくらい一気に読みました。このメンバーの次作も期待してます。
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悟浄出立、悟浄出世
●文庫になったら読もうと思っていた万城目学の『悟浄出立』がついに文庫になったので読んだ。前書きでも書かれていたようにこれは中島敦の『悟浄出世』『悟浄歎異』を受けて書かれた話なので、まずそっちから。
●中島敦の『悟浄出世』は西遊記の沙悟浄を自意識に捕らわれて身動きがとれなくなっているインテリ、というか現代人として書かれたもので、まさにそういう人間だった俺はこれを読んだときにびっくりしたのだった。中島敦って明治〜昭和の人ですからね。
●『〜出世』は三蔵の弟子になる前の、まさに自縄自縛に陥りそこから生きるということに一歩踏み出す沙悟浄の話。『〜歎異』ではその後の弟子になってからの悟浄が孫悟空や八戒、三蔵についてあれこれ考える話が書かれている。ともに沙悟浄の独白で、悟浄から見た悟空たちが大変面白い。俺はニートも無職も経験したが、今なんとか自活できているのはこの小説のおかげ、とは言いすぎだが何%かはおかげだと思う。似たような状態の人でまだ読んだことがなければぜひ読んで欲しい。たいていの図書館にあると思うし、なければ近くの図書館から取り寄せてもらえる筈。
●で、本来は三部作の予定だったそうで、その後の悟浄がある程度安定した境地に達する話が書かれる…筈だったのだと思う。しかし中島敦が死んだことでそれはかなわなかった。三作目、本当に読みたかったよ。
●万城目学も同じで、そして書かれたのが『悟浄出立』だそうで、とても楽しみだった。悟浄というより八戒の話が中心だったが。あの怠惰な豚に、前世とはいえ水軍の大将がつとまったのだろうか、という疑問は言われてみればもっともで指摘されるまで考えたこともなかった。さすが作家である。
●他に趙雲、虞姫、秦王を殺しそこなった刺客ケイカと同じ音の名前を持つ男、司馬遷の娘の話が収録されている。何を考えていたのかいまひとつわからない脇役ポジションの人たちね。
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コマじろう
●コマさんからだいぶ間があいたけどコマじろうのプラモデル。
やることはほとんど同じ。交換パーツがついてるけど表情は固定にして、隙間は埋めてしまう。
ただ口の周りが白いのと、兄弟で同じ表情なのもつまらないのでちょっとだけ彫って笑顔にしてみました。
完成形。調色が面倒なので近い色(と思われる)の塗料を使ったので、全体的に色が濃くなり、虎っぽい。狛犬の妖怪なのに。
後ろから。風呂敷も、
尻尾の模様もがんばった。見えないけど。
そしてやっぱり横側は2次元の嘘が出てしまうんですね。
一応持ってるスマホ? の画面も塗装しましたが、見えない。あと耳の中はかなり雑だけどあきらめた。コマさんのときもそうでしたが。
これで兄弟そろったよ。
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イベルタル
●会社が暇になり、残業代が出なくなって金がないので押入れにあるプラモを完成させよう、ということでポケプラのイベルタル。
登場作品も設定もろくに知らないまま見た目で買った筈。
このプラモ、3歳未満には与えるなと警告してあるので対象年齢はそれ以上、つまり子供なので安全基準により尖ってる筈の部分が丸くしてあった。尖ってる方がかっこいいと思い、尖らせようとしてみたのだが、これが実に難しかった。
エポパテやらなんやら継ぎ足して、削って、足して削って…したりしたのだが、やはり綺麗にはできなかった…というより根気が尽きた。いい作品をつくりたいなら自制と我慢が必要。それがプラモから学んだ教訓。毎度実践できないのだが。
基本、赤と黒なので赤の部分をキャンディ塗装にすればかなり映えるのではと思いやってみた。
厨二センス全開ですね。
難しそうな目の部分は下地のシルバーを吹いた後、本来目の部分にはる付属のシールを貼ってカバーして、
上からクリアーレッドを吹いた。心配してたより綺麗にできた。
そしてこれは他の方も指摘されていたが、アゴの位置がやや前寄りなのではないか。受け口になってる。元のデザインがこうなのかもしれんけど。目の青の部分ははみ出したときに修正できるようエナメル塗料を筆で塗った。幸い、タミヤのメタリックブルーが設定色に近かった。
この角? の部分、内側に穴が空いており(おそらく金型の都合で)、上からシールを貼る大胆なつくりなのだが、塗装する以上しょうがないのでパテで埋めた。後から思うに、この角? の部分を薄く鋭くできればかっこよくなるのではないか。
首の周りに毛? のような部分があり、シルバーで吹いて、クリアーブラックで影をつければ立体感が出ていい感じに、と思いやってみたがほとんど変化なかった。
塗装してみようかという方のために注意しておくと、羽根? と背中の関節部分が裏からすこしだけ覗きます。黒の間に赤が見える状態なので、若干目立ちます。
それで完成品がこちら。
本当はこういう感じの飛行状態で飾っておきたいのだけども、
関節などの都合でここまでしか背中側に反ることができず、さらに、
首の周りの毛? のパーツを差し込むと角の部分があたるので頭の可動範囲がせまくなり、このようにうなだれてしまうイベルタル。
そしてあれこれ撮影中にうっかり羽根? の先を折ってしまい、声も出ない。
関節はプラスチック同士のはめあいで、ポリキャップ等は使ってないので、ヘタレてしまうとそのままのゆるゆるになります。子供が遊ぶにはきついんじゃないかな。
子供向けの値段と可動前提の設計の難しさが見えるプラモでした。
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